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後処理

 

「よ~し、よくやったな」ナデナデ

 

「クゥ~ン」

 

 久遠を撫でてやると、気持ちよさそうに眼を細める……かわいいけど、この娘《女王様》なんだよな……まぁ俺の所為だけど。……あれ、あの鹿が最初に倒れたのは久遠がいたからか?

 

 まぁいいや、それよりも久遠が倒したのは予想外だから久遠への褒美は考えてないぞ……後回しにするか……。

 

「諸味味噌を作成──承認、と。まずボスとおぼしき鹿に止めを刺したコクホウ……というかこの際協力した河童全員だな、お前たちにはこれだ、キュウリに付けて食ってみろ」

 

「「「クケ!?」」」

 

「それとコクホウ、その尻子玉はお前がとっておけ」

 ぶっちゃけ尻子玉の価値や利用方法なんて知らんし……龍王への供物とか聞いたことあるけど……。

 

「クケ!?」

 

 いいんすか!、みたいな反応してるから撃破ボーナスにちょうどいいだろ。

 

 あとは水奈とナデシコだが……水奈はいま触手が離せないかおいといて、ナデシコは……蛇といえば酒かな。

 

「清酒と器を作成──承認。

 ナデシコ、お前も六花とコクホウの治癒、それと《癒しの雨》をよくやってくれた……酒は飲めるか?」

 

「シャーッ!」コクコク

 

「そうか、それならこれを……。飲むときは……近くにいるやつに開けてもらえ」

 

 ひとまずこれで終わりかな?

 

「よし、ひとまず解散だ」

 

 こっから先の光景は教育上あまりよくないので六花たちも部屋に返す。

 

 それじゃあ、ボス鹿の血抜きをするか……コイツはもう死んでるから急がないと。……あ、そうだ。

 近くに落ちてる拳大の石を拾い上げ、ボス鹿の首にナイフをあてがい、叩きつける。数回繰り返すとボス鹿の首が落ちた……やっぱりもう心臓が止まっているから血は噴き出さないな……。

 

 ──獣を1体撃破しました、13ポイント入ります。

 侵入者を全滅させたのでノービス仕様が解除されます

 。

 

 先に血抜きしてた方も死んだようだ……ちょうどいいな。

 

「水奈、そっちは傷口を小川に曝す形でおいといて、こっちを逆さ吊りにしてくれ」

 

 ウネウネ

 

 

 あと1体は……血抜きするにはもう遅いかな……死後結構経ってるし……毛皮と角だけ取っとくか。 

 

 毛皮をとったあたりで、水に曝していた方の鹿の血抜きも終わったのでそっちも解体、こっちはちゃんと肉も回収……すると、ボス鹿の血抜きも終わり、同様の作業を繰り返す。

 

 あとは小河童たちの遺骸回収だな……。この作業を小河童たちにやらせるのは酷なので俺がやらないと……あれ?

 周りを見渡してもさっきまであったはずの河童の遺骸がひとつもない……強いて言うなら皿や甲羅の欠片がちらほら有るくらいだ。

 

 ……これはダンジョンモンスターだからか?ってことはこの皿や甲羅の欠片は……ドロップアイテムってところか?

 ……なんかに使えるかも知れないからとりあえず回収して部屋に戻るか。……っと、その前に血抜きできなかった鹿と内臓をなんとかしないと、埋めるのは少し面倒くさいから……。

 

「魑魅魍魎を1体作成──承認」

 

 俺の知識では魑魅魍魎は雑多矮小な妖怪の集合体だが、この世界では死体の肉を食うバクテリアに近く見た目は黒い靄。

 スキルは《屍喰増殖》と《生喰増殖》で死肉や生者を喰うと増える。

 生喰は喰うと言ってもHPを1削るだけなんだがな。死喰は骨は食わないので残るし……まぁ骨なら腐らんから問題はないだろう。本当なら何でも食べる餓鬼がいいけど、コイツらは《共喰い》なんて要らんスキルが有るからなぁ……。

 

「魑魅魍魎、今から置いていく肉を処分してくれ。水奈、部屋に戻るから肉とかを運ぶのを手伝ってくれ」

 

 ウネウネ

 

 水奈と手分けして肉などを持って部屋に戻る。

 

 

「主さまお帰りなさ……キャァァァァアアア!!」

 

 部屋に帰ると六花が出迎えてくれるが、悲鳴をあげられる。

 ……まぁ仕方ないか、鹿の生首と目が合ったっぽいし。剥製にして部屋の装飾にしようとでも思って1体だけ生首で持って来たけど……やめといた方が良さそうだ。

 

「おっと、すまない。

 小部屋を2つ作成、鹿の首を剥製に──承認」

 

 倉庫用を2部屋つくり、剥製にした鹿の首を片方の部屋に放り込み、もう片方の部屋は、

 

「六花、後でこっちの部屋に氷を頼む」

 

「わかりました」

 

 氷で満たし、冷蔵庫にして鹿肉を放り込む。

 

「あの……それより主さま、一度お風呂に入った方が……。もう入れてありますので」

 

 六花が氷で鏡をつくり見せて来る。

 ……うわぁ、めっちゃ返り血がついてんな……。確か今日は水風呂の日だったな。

 

「よし、六花一緒に入るか?」

 

「あ、いえ、わたしは先に言われた作業をしておくのです」

 

 あら残念、それじゃあ。

 

「水奈、入るか」

 

 ウネウネ

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