帰投
〔や、やめ……や〕
──侵入者を撃破しました。20ポイント入ります。
〔キャウ?〕
犬神の大腿骨強奪が決め手になったのか、一般人の撃破メッセージが流れてきた。それと同時に雑魚軍団の身体も崩れている。
雑魚軍団の撃破メッセージが一切ないけど……もしかして、アイツら全部で一体って判断なのかな? だとすると、一体あたり一ポイントに色を付けた程度……。低いな。さすがレベル1と0.5。
アイツらは何だったのだろうか? なんであの程度の戦力で自信満々だったのか激しく疑問だ。
「とりあえず、みんなを元の配置に戻すか。
刹那、もう戻っていいぞ。六花と久遠にもそう伝えてから戻ってくれ」
〔ニャー〕
刹那から返事が来たと同時に感覚共有が解け、視界が元に戻った。
……あ、そういや骨はどうしようかな。人骨とか放置するとマズイような気がするけど……子河童たちがオモチャして遊ぶだろうから、放っとくか。
「ねぇ、パァパ」
「ん、何だ?」
骨の処理について考えていたら、水奈が何か言いたげに話しかけてきた。
「あのね、何で念話、使わないの?」
「念話って……忘れてたな」
そういや、念話装置作ってたわ。ポイント消費で作ってたのに使わないとか、ちょっともったいないな。
「やっぱり、忘れてたのね」
「ただいま戻りました」
「ニャー」
「ねぇたち、おかえり」
「ただいまです、水奈ちゃん」
「お、帰って来たか。気付いてたなら、行く前に言ってくれればよかったのに」
「この娘に仕事をあげるためかな、って思ってたのよ。今回は私たちも仕事がなかったようなものだけどね」
あ~、そういや戦闘前は水奈だけ仕事がないから落ち込みかけてたっけ。一般人のインパクトが強くて忘れてたわ。
「ところで、さっきの敵は何だったのかしら?」
「久遠も見てたのか?」
「ええ、私も刹那に感覚を繋いでもらって。それに途中からはコクホウたちといっしょに見に行ったわ。アレなら問題なさそうだったもの」
持ち場を離れたのは問題だが……まぁ、きちんと状況をわかった上で問題ないと判断だからいいか。
「何だったんだろうな。自称不死王で本当は不死一般人らしいが」
「不死の一般人って本当に一般人なの? 初耳だけど、何者なのかしら?」
一般人かどうか俺に聞かれても困る。俺もそこら辺は疑問だし。
「ちょっと調べてみるか。
…………情報がないな」
検索をかけたが、作成可能モンスターにはいない。ちょっと『ダマれ!』で質問してみるか。