検索システム
腕輪からメニューを出して検索……の前に、迷宮区の一・二層目を換えとかないと。もしまた侵入者が来たらヤバい。
戦闘があった雷ヶ原と火山は四・五層に設置して、一層を湿地帯、二層が雪山でいいかな。湿地帯で濡れ鼠になったあとに雪山はキツいだろう。
あとはそれぞれの妖怪たちに通知して……これでよし。さて、今度こそ調べるか。
「とりあえず死霊系でいいか……ってかなりあるな」
腕輪にはワード入力でモンスターや能力を調べる機能があるので、条件を入力して検索をかける。すると大雑把過ぎたのかヒットする項目が大量に表示された。もう少し条件を絞り込まないといけないようだ。
「今回は声を聞くのが目的なので交渉能力と、探し出すための探知能力を条件に入れてみるといいと思うのです」
「なるほど、交渉と探知能力っと。まだ多いな」
六花のアドバイスで交渉・探知能力を追加したものの、まだ多い。
「ニャア」
「確かに、とりあえず、めぼしいのだけでも見ておいた方がいいか」
オーソドックスな死霊魔術は……ダメだな。死霊を扱う上での基本的なことは全部できるが、消費ポイントが多すぎる。まぁ、これは死霊魔術だけじゃなくてスキル全般に言えることだけど。スキル付加はダメだな。
「スキル付加は検索除外して……いっそモンスター作成に絞るか」
アイテムという手もあるが、使用頻度を考えるとポイント消費で作るのはもったいない。それに水奈の希望だしこちらにメリットがあるから手を尽くすが、優先順位は高くないので、今いる妖怪たちには大なり小なり思い入れがあるので、派遣するのは正直抵抗がある。
「いっそ喚び出すって方法もあるんじゃないかしら?」
「召喚か……ってダメだ、対象を指定した召喚は対象に縁のある物が必要になる。
やっぱりモンスターから選ぶしかないな」
死霊を運ぶような妖怪は……精霊馬が良さそうだな。戦闘力は低いが、移動能力が優れている。
「よし、精霊馬を……」
──ブーブー
侵入者が一層に現れました。
作成しようとしたその時、システムメッセージが流れてきた。
……タイミングの悪い。それにこの短時間で三回目の侵入者って今日は忙し過ぎるわ。今度は何だ? またどこぞの騎士か盗賊か?
──ブーブー
アンデッドモンスター数体の侵入を確認しました。
あれ?