後始末
久しぶりの更新です
「牢屋を作成──承認」
凶骨の再封印や火山の妖怪たちのレベルが上がったことの確認など、もろもろを済ませて最後に牢屋を作る。
さて、あとはコイツらをしばらく牢屋にぶち込んで、久遠のMPが回復次第記憶を書き換えるとして、マスタールームに帰るか。
ここは今は一層だし、火山活動が停止して熱を抜いているとはいえ、余熱があるので他の層に比べるとまだまだ暑い。俺や六花にはキツい環境だ。
それに、俺らが居るといつまでも火山活動を再開させられないし。
「俺たちは戻るから、鬼たちはコイツらの見張りを頼む」
「キィー」
「少ししたら火山活動を再開するから、火の耐性が低いヤツは熔岩が流れる場所には近付くなよ」
「ヴォン」
「承知つかまつりましてございますじゃ」
「あとは任せた。じゃあ戻るぞ、六花、久遠、刹那、水奈」
「はいなのです」
「ええ」
「はい」
「……あ、まって、パァパ」
「どうした?」
あとの事は任せてマスタールームに帰ろうとしたところで、水奈から呼び止められる。
今回、一番消耗しているのは新スキルや妖刀憑依をやってた水奈なのだから、早く休まないとマズイと思うんだが。
「……おうまさん」
「馬……そういえば、居たな」
凶骨の相棒である一角天馬の事を忘れてたな。
さて、どうするかな。
普通なら倒すか追い出すかするのだが、水奈と仲良くなってるみたいだからそれは避けたいし、かと言って置いておくのも凶骨を含めて爆弾になりそうだし。
「……連れて行っちゃ、だめ?」
「いや、さすがにこのサイズはマスタールームには入らないだろ」
犬猫を連れて帰って来た子供の親になったような気分だ。水奈の場合、犬猫どころじゃない。
あいにくマスタールームは人間サイズの生き物が使うことが前提の部屋なので、翼や角の生えた馬が入るのは無理だ。
「ヒヒーン」
ところが、そう水奈に説明してマスタールームに連れて行くのを諦めさせようしたところ、一角天馬が嘶いたかと思うと、徐々に縮んでいき、最終的に久遠と同程度のサイズになった。
「ずいぶんと可愛らしい大きさになっちゃいましたね」
「私と同じくらいだから、大きさを理由にはできなくなったわね」
「水奈ちゃん、この子のお世話はちゃんとできますか?」
なんで六花は受け入れ態勢になってるんだろうか? それも母親みたいな感じで。
「……うん、それとね、おうまさん、パァパに、話がある……みたいなの」
「話?」
「うん。『かわりはてた主のたましいをカイホーするしゅだんついて』って」
変わり果てた主の魂を解放する手段ね……。それはかなり気になるな。