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上から発言

「何をって、あのスケルトンが持っていた宝剣の回収に決まっているじゃないか!」


 六花の視線の先、そこには凶骨が落とした宝剣を拾おうとしている騎士の姿があった。

 え? こいつ、何でこんなに元気なんだ? 結構ぼろぼろになってた覚えがあるんだけど。朧車が引き摺り回してたし、一角天馬アルミューン・ペガサスが馬蹴り食らわしてたし。

 つーか、久遠が幻覚嵌めしてたはずなんだが……。


「「キィー」」

「「ヴォンヴォン」」


「ん? 久遠と刹那?」


 そう考えていたら、二組の朧車と小鬼がぐったりとしている久遠と刹那を乗せてやって来た。

 外傷の類いはないが、ステータスを見てみると、HPとMPが枯渇気味で、状態が《過労》になっている。


「どうした!?」


「ごめんなさい……お兄様。アレを抑えておけ、なかったわ」


 久遠曰く、騎士を幻術に嵌めていたのだが、妙な理屈で予想外の事ばかりしでかし、その修正やらなんやらでMPをかなり消費したらしい。そのうち自前のMPじゃ足りなくなったから、刹那から供給してもらったり、HPを消費して幻術を維持していたが、やがて維持できなくなり、騎士は幻術から解放され、久遠たちは過労状態になった、ということらしい。


「き……スケルトンを打ち倒したのは主さまで、当然その宝剣も主さまのものなのです!」

「何を言っているんだい? スケルトンを倒したのはぼくじゃないか!」

 俺が久遠と刹那の様子を見ている間に六花と騎士が言い争っていたようたが……騎士はどうやら幻術の中で凶骨をやっつけたらしい。

 どれだけ自分に都合のいい幻覚を見てたんだ? 確かに久遠は奴にとって都合のいい幻覚を見せてたはずだけど、凶骨を自分たちで倒せないって思ってたから、俺に交渉を持ち掛けたんだろうが。


「それに君は誰だい? さっきまで居なかったし、なんで君みたいな幼子がこんなところに?」


「わたしはり……」

「はい、ストップ」


「あ、主さま……」


 六花がヒートアップし、自分のことを話そうとしたのであわてて止める。

 どうやら六花をヒューマンと勘違いしているようだし、妖怪だと明かさない方がいいだろう。


「お前はダンジョンマスター!? さっきぼくの説得に応じてダンジョンを出て行ったんじゃないのか!? せっかく見逃してやったのに……」


 …………本気でどういう幻覚を見てたんだ、こいつは? かなり上から発言なんだけど。


「それに主さまって……、まさかその娘はお前の奴隷なのか!? 奴隷なんて…………なんて真似を……!」


 お~い、俺は何も言ってませんよ~。

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