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水奈の願い

新作の公開も始めました

よろしければ読んでください

『Dead and Alive Online』

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「くっ、この……」


 さて、どうするかね。事のついでとはいえ攻撃を仕掛けたハズなのに、凶骨は相変わらずこっちを無視して騎士を狙い続けている。

 そのうち槍の男も力尽きるだろうから別に放っておいても問題ないといえばないんだよな……。

「あ~、もう見てらんないわ。


 大地よ、彼の者を囲い込め《アースフェンス》。 《アースハンド》」


「あ、おい!」


 魔法騎士はそんな様子を見兼ねたのか、魔法で地面を隆起させて凶骨を取り囲み、大地で形成した巨大な手で騎士を槍の男からもぎ取る。


「時間稼ぎしてあげるからあんたは休みながら打開策を考えなさい」


「はぁ……はぁっ、助かる」


 そして槍の男と入れ替わる形で凶骨と対峙……と言っても、直接前に立つのではなく、騎士を掴んだ大地の手を左右に振って凶骨を振り回しているだけだが。

 ……もしかしてまだ続くの?

 

「ヒヒィーン……」

〈あ、おうまさん……〉

 長くなりそうなので帰ろうか悩んでいると、一角天馬アルミューン・ペガサスが落胆するような感じで鳴きながら近付いて来る。

 何でこっちに来る? ……そういえば、最初は水奈と共闘してたな。


「なぁ、水奈、なんでこの一角天馬と一緒に居たんだ?」


〈……ん、おうまさんがあるじってひと、さがしてた、から……。あるじって、あたしからすると、パァパのことだから……手伝って、あげたかったの〉


 う~ん、同情でもしたのか? ……まぁ、害はなさそうだし、水奈の友達みたいな物とでも思っていればいいか。 



「ところでそいつはどうしたんだ?」


 その主である凶骨に斬られかけたあとはじっと見てただけだが。


〈ねんわ……っていうので呼びかけてた、みたいだけど、反応がなかったって〉


 ただじっと見てたって訳じゃないのか。


〈ねぇ、パァパ……なんとか、してあげて〉


「なんとか、って言われても……」


 水奈の願いを叶えてやりたいのは山々だが、何ができるんだ?


「あいつは元々正気なんて無いようなものだったのに、婚約者だった姫の仇を見つけた所為で更に正気を無くしてるから難しいぞ?」



「ヒヒィ、ヒヒィーン!」

〈そこをなんとか、せめて、あのあわれなじょうたいから解放してください、何でもしますから……って〉


 何でもするか……。


「あいつは無念をなんとかしない限り何度でもあの姿で復活する……ある種の呪いみたいな性質があるから、封印までしかできないが、それでもいいか?」


「ヒヒィーンッ!」


〈かまいません、あるじにあのような姿をさらさせるわけにはいきませんから……って〉


「わかった」


 それじゃあ水奈のお願いでもあるし、ちっと頑張るか。

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