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水妖刀

すみません、ちょっと体調が悪化して沈んでました

 音の発生源、手元の妖刀に目を向けると柄頭にある水晶っぽい石にヒビが──ん? こんなもんあったっけ? ……一本踏鞴が強化した時につけたのか? 

 その石にヒビが入り今にも砕けそうになっている。これが本当に一本踏鞴がつけた石だとすると、激しくマズイ気がする。なぜなら、強化の結果ついた物だとすると、強化後に使えるようになった俺のスキル補助の要である可能性が高い。


「ちょっと、周りの熔岩がプルプル震えてるんだけど、何をするつもりよ!?」


「……もうすぐ熔岩の操作ができなくなるっぽい」


「はぁ!?」


 つまり現在使用中の《百鬼徒花》で使っている水奈の熔岩操作に影響が出るわけだ──つーか、既に出ている。

 熔岩は先ほど水奈が侵入者たちに差し向けた状態で固定しているので、今こいつが砕けると侵入者に近づいている俺を含めて全員死ぬな。


「水奈、もうすぐ俺の方で熔岩操作ができなくなりそうだが、お前の方でなんとかできないか?」


「……パァパが使ってるから……むり……」


 熔岩を退ければなんとかなるかもしれないが、今それをすると石が一気に砕けそうな気がするから水奈に打診してみるが、水奈の方でも無理っぽい。

 《百鬼徒花》の発動が不完全だから、水奈も熔岩操作できるかもしれないと思ったが無理か。


「……でも…………ん!」

 だが、水奈は身体の形を崩し俺の右手、そして妖刀に絡み付くと、その身体を輝かせ、


 ──妖刀と変若水比女・水奈が融合し『水妖刀・燈愛水ひめみず太刀たち』となります。


 妖刀を新たな姿に変え、更に俺の右手と一体化する。

 妖刀は少し長くなり、刀身・鍔・柄そのすべてが先ほどまでの水奈を思わせる透き通った朱の水晶状になり、柄頭の石が鍔に移りヒビもなくなっている。


〈……これなら、なんとかなると、おもう〉


「水奈……か?」


〈……うん、あまり長く、もたないから……説明は……あとで〉


「あ、ああ……」


「ちょっと、何一人でぶつぶつ言ってるのよ!? 熔岩これをなんとかしないとあなたも……」


「いや、なんとかなりそうだ」



「ヴォォォォ」


 何がどうなってこうなったのか問い質したいが、水奈が熔岩操作の補助をしてくれて、それが長持ちしないことがわかったので、熔岩を退かせるついでに凶骨へと差し向ける。


「どわっ、何するんだ!?」ジュッ


「すまん、その骨をなんとかしようと思ったのだが使い慣れない能力だから手元が狂った」


 その時に熔岩の一部が凶骨の攻撃を凌いでいる槍の男が持っている騎士の下腹部に当たったがわざとではない………………かもしれない。

 ちっ、心臓を狙ったのに下にずれたが。



〈……おしかったね〉


「ああ」

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