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ちょっと一息

 昔から友香はゲームだけは得意だった。

 今だってそうだ。俺が打ち出した目くらましの炎の矢の雨を俺の知らない隠しコマンドを使ったのであろう、馬鹿でかい竜巻を出し弾き返す。

「弾くな! っつぉ! 死ぬ! あああぁぁぁぁ……」

 ついでに竜巻もやってきて異常なダメージをくらいまくった。なんだよ、9999って。何回くらえばいいんだよ、いっそ何周かして生き返れよ。

「うっし! 勝った!」

「くそ、レベルなら勝ってるはずなのに……」

 レベルを確認すると、レベル限界突破の秘術を使った俺の主要操作キャラは皆200オーバーだ。しかし、友香の操作キャラレベル100でカンストしたままのだ。しかも自作キャラ。技だって特殊なものは少ないはずなのに……。

「自作キャラしか装備できないモノもあるし、レベルは関係ないよ」

「なんだと……。た、例えば?」

「私のこのこは全部その装備だから」

「ちょい、見せ」

 確認すると、攻撃力などの武器や防具の性能が異様に高かった。具体的には999いっちゃってる。負けちゃったよ、俺のサリエル様。回復能力も高いし即死効果持った大鎌使ってんのに友香の装備即死無効ついてんじゃん。

「くっそ、次は力押しだっ!」

 メニュー画面を操作し、自作キャラのカマエルに変える。因みにサリエルは自作キャラでない。ヒロインが鎌持つとかどうよ?

「じゃあ私はこのままで」

「おい、変えろ」

「変えても皆同じ装備だし、変わんないっしょ」

「くっそ、せめて1回は勝ってやる!」

 涙で画面が滲んでうまくプレイできなかったのか、瞬殺された。

「駄目だよ、近づいちゃ。一番弱い魔法でも一撃くらえば即死だし」

「大魔法使い!? いや、賢者だお前のそれは!」


 宿題は明日の朝に終わる量だから明日に回しておこう。さて、暇だ。時計を見るともうすぐ兄貴が帰ってくる時間だ。そして、兄貴の帰宅してから1時間後には友香が夕食を作り始め、その30分後の9時には俺は食卓についているころだ。

 暇だ。暇だから友香の部屋に侵入、いや、闖入して漫画でも読み漁るか? しかし、さっき友香の部屋でゲームしたばっかりだし、また行くのはちょっと気が引ける。

 というわけで、レベル上げをしよう。待ってろ、サリエル。さっきのでちょっと自信なくなっちゃったけど、お前は俺の最強のキャラなんだ。巨人相手にレベル上げついでにテクニックを磨くとしようか。

 京典が使うのは天使のみです。ちなみに友香は自作キャラにミケとかタマとかいう名前をよく付けるのが特徴です。

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