表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編集:恋愛

傷ついた指輪

作者:

いつも読んでくださっている方々、本当にありがとうございます。


あなたがくれた、この指輪


高くはないけど、2人で選んだこの指輪


小さな傷が、たくさんついた指輪


喧嘩するたび、投げつけた


それを拾って、困ったように笑うあなた


そしてわたしを優しく抱きしめる


それがなにより嬉しくて、恋しかった






ねぇ、知ってる?


わたしは、すごく幸せだったんだよ


今、この指輪をみながらそう思えるの


今回だって、そうだった


怒ってこの指輪を投げれば、あなたは笑って抱きしめてくれる


そう、思ってたんだよ


でも、わたしの元へ戻ってきたのは指輪だけ


あなたは、どこかへ行ってしまった


もう、この指輪を投げることもなくなるんだ














ごめんね、わたしの身勝手でこんなに傷つけて


ごめんね、あなたを大事に想えなくて


あなたはいつもそばにいてくれたのに


そう言って、指輪を見つめる


指輪についた、小さな傷たち


その数だけ、あなたと喧嘩した


その数だけ、あなたは笑ってくれた


その数だけ、わたしを抱きしめてくれた


この傷の数が、わたしが感じた幸せ
















壁に向かって、指輪を投げる


コツ、という音のあとゆっくりと落ちていく


この指輪を拾う人は、もういないんだ














静かな部屋に、わたしと指輪




2人は今日、大切なものを失った















ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ