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雨がザアザア降っていた。
私の汚い心を洗い流してくれているみたいだった。
もっともっと降って、汚いものをすべて流して。何もかも終わらせてほしい…。
そう思ったんだ。
中学の時のいじめが原因で、人間関係がひどく苦手だった。
高校生になった今でもそれは変わっていない。
「隣のクラスの○○が××と付き合ってるんだって~。」
「△△もこの前、□□に告白されて付き合ってるらしいよ。」
「あーあ、いいなぁー。私もはやく誰かと付き合ってみたい。そう思わない、果歩?」
私に話を振られても。
どうも、こういった恋愛話も苦手なのである。
人間関係が苦手なのだ、恋愛なんて尚更だろう。
人を愛するなんて私なんかにできるはずがない。
「果歩に話しても無駄無駄。果歩って可愛いのにさ、男に興味ないって言うもん。」
どうして、みんな恋愛が好きなのか。
人と接していたいって思うのか。
それに…私は男に興味ないのではない。怖いのだ。
男だけじゃない、女も怖い。私以外のすべての人間が怖い。
みんなは、人と接していて、怖さ以外の『何か』知っているのだろうか。
私にはわからない未知の分野なのだろう。
誰かに教えてもらおうとも思わない。
人を愛することも人に関心を持つことも諦めた。
私は一人で生きていく、一人で生きていくしかできないのだから。