マジ苦しい。なにこれ。
『マジ苦しい。』
人間の身長の何倍もあるような大きさの、
怪物なのかよくわかんねえ奴に、掴まれて、
ぎゅーされてんの。
今オレは身動きできずに、そろそろ死ぬ。
握りつぶされて死ぬなんて、
聞いた事も無いけど。
奇跡体験。
『マジ苦しい。』
本当にピクリとも動かねえ。
怪物、物凄い力だよ。
『マジ苦しい。』
圧迫されてるから、肺が動かしにくい。
呼吸さえ必死で1ミリ。
でも何か言わなきゃ。て気持ち。
『あのさあ……』
ちょっと、そろそろいい加減にしてほしくて、
オレは怪物に言った。
『さっきから、マジ苦しいって言ってんじゃん。はやく握りつぶしてくんないかな?』
どっちみち死ぬんなら、早いほうがいい。
ぎゅーされたり、緩められたり、
遊ばれてるのなら、無駄に苦しいだけなら、
はやく終わらせてほしい。
『……聞いてる?』
身体中の穴から、人間の何パーセントかの
水とか、血液とかぬるぬるを垂れ流してんの。
あと何パーセント残ってんの?これ。
ごぽごぽ。
ぬるぬる。
怪物は、曖昧にぎゅーしたり、緩めたりして、
そんなするばっかで、
さっきから、目も合わせようとしない。
『なあ。聞いてる?』
『怖いんです。』
ぼたぼた。
『え?なんて?』
『僕、怖いんです。』
べたべた。
ぼたぼた。
て、体液、垂れ流し中のオレ。
1秒でも早く、終わらせてほしい。
『甘えんなよ。』
『怖いよー』
『終わらせろ。』
『殺しちゃったら、どうしよー』
『もう、ほぼほぼ殺してんだろ。』
『わあんわあん。』
なにこれ。
『マジ苦しい。』
おしまい。




