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病弱な従妹を優先する婚約者とそれを我慢できない私  作者: ノーネアユミ


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7/10

弟の話

 リアクションありがとうございます!

 今日は元婚約者の弟目線です。

 ()()は伝統と格式(かくしき)のある伯爵家だ。

 (ほこ)りには思っているが、格式を維持(いじ)するためには費用(ひよう)がかかる。

 昔は裕福だったらしいが、現代は所得税(しょとくぜい)相続税(そうぞくぜい)資産(しさん)()一方(いっぽう)


 貴族としての交流は義務(ぎむ)だから、夜会に晩餐(ばんさん)会にお茶会は必須(ひっす)

 父上も母上も見栄(みえ)のためか出費(しゅっぴ)を減らそうともしない。



 叔父(おじ)夫婦から身体が弱い従妹(いとこ)を頼まれた時も(ことわ)らなかった。

 治療費(ちりょうひ)全額(ぜんがく)負担(ふたん)してやったらしい。

 ある意味バカだ。


 この従妹、昔はしょっちゅう医者を呼びつけて、両親と兄を心配させてばかりいた。

 まだ(おさな)かった僕は嫉妬(しっと)しては意地悪(いじわる)無視(むし)をくり返していた。


 それはまあ悪かったと思っているよ。



 そんな彼女も数年前には医者にかかる頻度(ひんど)が減っていた。(なお)って来たのだろう。


 両親の心は少しずつ僕に(もど)って来た。

 僕が学校で高得点を取るとほめてくれるようになったんだ。


「わたくしは学校に行けませんのに、ずるいわ」


 あいつは何でも人のせいにする。


「宿題をサボってばっかりで家庭教師に(おこ)られたのは(だれ)だよ」


 僕が言い返すと、すぐ兄に泣きつく。

 兄だけは従妹にべったりだから。



 従妹は十三の時に別館へ移された。

 年頃の男女が一緒に()らすのは世間体(せけんてい)が悪い、と言うのが表向(おもてむ)きの理由。


 本音は色気(いろけ)づいて来た彼女がドレスや宝飾品(ほうしょくひん)をねだる回数が増え、両親が()を上げたからだろう。

 僕にとっては晩餐以外で顔を合わせなくなったから(さいわ)いだった。



 僕はどうせこの家を出るけど、何も考えていない兄の(だい)はどうなることやら。

 あれにずっと寄生(きせい)されるのだろうか?


 そんな兄が婚約を(むす)んだ。

 お相手(あいて)は子爵家の令嬢。体が弱いそうで、看病(かんびょう)()れている相手を探していた。

 我が家に多額(たがく)援助(えんじょ)をしてくれるそうだ。(ねが)ってもない相手。


 両親も僕も本当に祝福(しゅくふく)していた。



 まさか兄が従妹を優先(ゆうせん)して、婚約者との交流をサボったなんて。

 そのせいで婚約は解消(かいしょう)されてしまう。そりゃそうだろう。

 まさか兄がここまで(おろ)かだとは思わなかった。



 気楽(きら)(かま)えていた僕に、家督(かとく)が回って来る。


 さすがの両親も危機感(ききかん)()ったようだ。

 従妹も()い出して別館を売りに出す。


 あれが(のこ)した宝石はそれなりの()で売れた。

 バカな女。安物で我慢(がまん)していれば手元(てもと)に残してやったのに。



 そして僕の跡取(あとと)りとしての初仕事は、兄の尻拭(しりぬぐ)い。

 父と共に子爵家へ謝罪(しゃざい)()かう。



 そこで僕は女神と出会った。



 兄の婚約が決まった時、一度だけ会った彼女。

 その時もきれいな子だなとは思っていたけど。


 しかし(ほが)らかな表情は彼女の一面(いちめん)()ぎなかった。

 すさまじい力をこめギラリと光る(ひとみ)に、僕は視線(しせん)を外せない。

 (いか)りに()(まか)せる彼女は、まさに神話に登場する復讐(ふくしゅう)の女神!


(何だこの感情は)


 (あれ)(くる)う心が恋だと気づいたのは三日が立った後だった。




「お前もとうとう婚約が決まったのかぁ」

 学院で悪友(あくゆう)(かこ)まれる。


「ふ、僕が本気を出せばこんなものさ。でもな~ 結婚まであと二年もあるんだぜ」

「そりゃ相手が卒業までは無理(むり)だろう」

「お前がそこまで入れこむなんて、どんな美人だ? 紹介(しょうかい)しろよ」


「ははは、会わせるわけないだろう?」

「彼女に姉妹はいたりしない?」


「おい、下手(へた)(やつ)紹介して僕の印象(いんしょう)が悪くなったらどうするんだ」

「下手って誰が!」


 いつものように軽口(かるくち)から()()()いになる。



「うらやましいよ」


 (さわ)ぎが(おさ)まった後、一人がつぶやいた。

 こいつは家が貧乏(びんぼう)だから結婚とか婚約は(かんが)えられないって話していた。


「オレは卒業したらすぐ(はたら)いて実家を(ささ)えないと」


 使用人が少ないから、昔から妹と弟の世話(せわ)にあけくれた苦労人(くろうにん)だった。

 僕の友人の中では(めずら)しく真面目(まじめ)(おだ)やか。

 地味(じみ)貧乏じゃなければもっとモテてもおかしくないのに。



(ん? 下手な奴じゃないな)

 

「お前さ、地味で野暮(やぼ)ったい女子ってどう思う? 身体も弱いんだけどさ」


 (この)みくらいは把握(はあく)しておくか、一応(いちおう)な。


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― 新着の感想 ―
直接やらかしたのは兄だけど、伯爵の行動見てたら誤認しても仕方ないのでは? ・別館とはいえ回復した婚約適齢期の従姉妹を預かり続けてる ⇒ 別館でも見舞い無制限なら世間体が悪いことに大差はない。   逆説…
伯爵家の別館は売りに出した所で買う人いるんだろか?w 伯爵家の敷地内にあって、従姉妹に呼ばれた長男がさっと行き来出来るくらい本館との距離が近い別館なんて、事後物件でしかないw 病弱な主人公が跡継ぎにな…
地味で野暮やぼったい女子ってどう思う? 弟からの印象なんでしょうが、観目の表現の仕方が最悪で好感度が地の底に落ちました。 婚約者な妹ちゃんにバレてしばらく交流絶たれたら良いんじゃないかな。
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