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病弱な従妹を優先する婚約者とそれを我慢できない私  作者: ノーネアユミ


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10/10

おまけ2 本屋さんに行ってきましたの

 おまけその2

 主人公視点です。

 今日は久々の外出日。

 私はワクワクしながら本屋さんに向かいます。


「新しい物語が見つかるかしら? 図鑑とか古典もいいわよね」

 侍女に希望を話しながら到着を待ちます。

 本屋さんに向かっている時の馬車って、どうしてこんなにゆっくりなのでしょう。


 元婚約者とのお食事会にはピュンって移動していたのに。

 


 やっと到着したわね。

 私は護衛の手を取って馬車から下ります。


 ふう‥ 本屋の香りを吸いこむと心が落ち着くわ。

 服とかは家に商人を呼ぶけれど、本は書店で選びたいのよ。


「いらっしゃいませお嬢様、本日はどのような本をお探しでしょうか」


 すぐ近づいてくれる店員さん。

 エレガントな所作にドキドキしちゃう。

 私は今月の新刊を見せて欲しいと頼みます。



「ではこちらでおかけになってお待ちください」


 店の奥の小さなテーブル席に案内されて私はゆっくり待ちました。

 待っている間、並んだ本をながめるのも好きなのよ。



「お待たせいたしました、こちらが新刊の物語でございます」


 数冊の本が目の前に積まれ、店員さんは図鑑を探しに行きます。

 私はパラパラ数ページずつ試し読み。夢中になりすぎないように読まなきゃ。

 扉を開け閉めする時のベルが鳴ったのはかすかに聞こえたわ。

 


「え、お前ここで働いてたのか」

「ああうん。学校が許可してくれるのがこれくらいでさ。家庭教師をやるコネもないし」


 店員さんのお友達が偶然お店に来たようね。

 私は文章への集中を若干強めます。そうすれば話し声なんて気になりませんから。



「領地経営の本を探してるんだけど」

「それならここら辺だな。向こうのお客様の対応が先だから好きに探しておいてくれ」

「ああ分かった。あれ?」



 つかつかと私の側に足音が。


「やっぱり未来の義姉上ではありませんか」


 目を上げるとそこにいるのは妹の婚約者。

 私もあわてて立ち上がります。


「ごぶさたしておりますわ」

「奇遇ですね。こうしてばったり会うなんて」


 確かに。私は家からあまり出ないから珍しいかもしれないわ。



「お嬢様とお知り合いでしたか」


 店員さんが本を持って来てくれました。


「ああもうすぐ僕と家族になる」

「そうでしたか、話はうかがっております。友人がほれるわけですね、確かにお美しい」


 義理のねと付け加えようとしましたが、私が口を開く前にかん違いをさせてしまいました。

 私が妹と間違えられるだなんて初めて。

 お美しい、ですって。お世辞でもうれしいわ。


 妹の彼もニヤニヤしながら店員さんを物陰に引っ張って行きます。

 きっと間違いを正すのでしょうね。

 私も愉快になりました。



「こちらとこちらをいただきますわ」

 本を選んだので彼に声をかけましたが、今度はすぐに来てくれません。



「待て、お金持ちのお嬢様だろ? 俺じゃ速効断られる声かけるだけ無駄!」


 何かもめているのでしょうか。

 二人が棚の奥から出てきました。


 妹の婚約者は華やかですが隣の彼はシックな(おもむき)。二人とも素敵ね。

 私にはとても手が届かない世界。


 

 本を包んでもらい、私は帰途につきます。


 妹をうらやましいとさえ思わなくなったのはいつからだったかしら。

 別に誰にも選ばれなくたって構わないのに、私はため息をつきます。




 この時の私は思ってもいませんでした。

 両親から再度の見合いを打診されることを。


 まさか本屋の彼とそこで再会するなんて。




 補足 本棚の陰、男たちの会話


「彼女が美しいって、お前本気で言ってる?」

「そりゃ美しいってより素朴でかわいいって方だけど。ほめるのは別に構わんだろう、いくらタイプでも人の婚約者に手は出さないよ」

「おおお、実はあそこにいるのはさあ‥」

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― 新着の感想 ―
弟くんどうやって引き合わせようかな…と考えていたのかもしれないなぁ。やった棚ぼた!と思ってさっそく話し通したんだろうね〜。良かった〜!
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