表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
病弱な従妹を優先する婚約者とそれを我慢できない私  作者: ノーネアユミ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/10

今日も貴方は来ないから

 個人名は考えるのが面倒くさいので省きました。


 婚約を結んで一月。

 今日もあの方は私との約束をすっぽかしました。


 王立公園のベンチに座る私を見つけ、伯爵家のメイドが婚約者様の伝言を伝えます。

 

 理由は前回と一緒。

「一緒に住んでいる従妹(いとこ)が体調を崩して、看病したい」ですって。


 一応本を持って来ましたから退屈はいたしませんが、すっぽかすのなら早めにお願いしたいです。



「約束の時間から30分以上たちましたのよ。今日はたまたま暖かかったからよろしいですけど、寒かったら風邪をひくところですわ」


 言伝(ことづて)をしてくれた他家のメイドさんについ愚痴(ぐち)をこぼしてしまいます。

 平謝(ひらあやま)りするメイドが悪くないのは分かっていますのに。


 とりあえず私は侍女と護衛を引き連れて、デート予定だったカフェでお茶します。

 ケーキがおいしいと評判のお店ですもの。せっかくですから楽しまないと。

 暖かい室内で、ゆっくりクリームを味わいます。



 あの方には病弱な従妹がいます。

 王都での治療のため、ご家族とは離れて親戚の家にお世話になっているのです。

 


 お二人は本当の兄弟のように仲睦(なかむつ)まじくて、家族同士の顔合わせにまで同席するほど。


 私はお話してみたかったのですが、人見知りらしくて私の婚約者とばかりお話していたのを思い出しますわ。


(人見知りにしても、彼以外誰ともしゃべらないのはおかしいのに)




 で、家に戻ってから婚約者に二回続けて約束を反故(ほご)にされたこと、45分は待たされたことを両親に伝えました。


「あの方との婚約は嫌ですわ」


 両親はため息をついています。


 私の希望はかなえられました。




「なぜ勝手に婚約を解消したんだ!」


 数日後、元婚約者様が我が家に押しかけます。


 納得していないようですね。


「婚約したら相手との関係を深めるのは責務と聞いていましたが、予定を二回もすっぽかされたので」


「たった二回だ。しかも従妹の体調が悪くて看病していたんだぞ」


 それは聞いています。が、たったの二回?



「従妹さんは子供の時から体が弱くて、あなたはよく看病をしていたそうですね」

「ああ。それの何が悪い? 僕が間違っていると言いたいのか?」


 嫌いですわ。良いか悪いかだけで判断するのは。


「それが悪いのではなくて‥ 最近は随分(ずいぶん)回復されたのに、なぜ私との約束の時だけ病状が悪化するのかしら? 悪意を感じるわ」



 家族の顔合わせの時も、何度かにらまれたのです。

 私としては彼女の目論見(もくろみ)はもろバレなのですが。



「それは君の思いこみだろう。たった二回くらい我慢しろよ。君とのデートなんていつでもできるんだから」


 この方こんなに居丈高(いたけだか)なのね。結婚する前に気がつけてよかった。



「いつでもできるんだから我慢しろと? そんなわけには行きませ、ゴフッゲホゲホゲッホゴッフ」


 あまりに無理な注文をされたので(せき)の発作が起きてしまいましたわ。

 咳って精神的な理由でも悪化しますから。



「ゲショゲショ‥はあ」


 ふう、やっと止まりました。



「私の方がもっと病弱なんです!」


 よかった。言いたいことが言えましたわ。


 病弱な従妹(幼馴染)を優先する婚約者物ですが、「もっと病弱な主人公」の話は自分が読んだ中になかったので書いてみました。 


 今日は急に冷えましたね。

 今夜は葛根湯を飲んで寝る予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
いいわー大好きこういうお話大好きです ちっと考えろや!的な人が多すぎ。オチが最高。思わず笑ってしまいました。次、お待ちしてます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ