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第二話
その週の日曜日、アマフラ氏はスーパーが開店するやいなや、一番乗りで来店し、惣菜売り場へ走った。結果から言うと、彼は天丼を買うことができた。そして、満たされた気持ちで帰路につき、手も洗わずに容器の蓋を開いた。箸を使うことを忘れそうになるほど彼は期待と喜びに満ちていた。しかしながら、それは彼が求めていた天丼ではなかった。エビの身は小さく、分厚い衣のもっさりとした食感ばかりで、何より磯臭い。ピーマンは硬くなっていてプラスチックを噛んでいるみたいだし、ナスはつかんだだけで形が崩れるほどベショベショだ。レンコンに至っては衣が剥がれている上にほとんど火が通っていないではないか。タレはベタベタと粘っこく、過剰に甘くて嫌な後味が残ったし、米は容器にこびりついて食べづらい。油を吸いすぎた天ぷらと米と甘すぎるタレのせいで気分が悪くなり、半分ほど食べたあたりで全部ゴミ箱に捨てた。
食後にどれだけ水を飲んでも吐き気は収まらず、その日のうちに二度トイレで戻し、次の朝までムカムカとした吐き気が体の中から去ることはなかった。