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異世界は剣と料理と現代知識で  作者: わかね
第二章 文化祭と王国祭編
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078 審査員は問答無用で

2022年 9月 2日(金)〜 3日(土)異世界サイド〜


「元々今日は基本稽古に充てる予定だったから良いが……」


てっきり毎日マラソンかと思ったけど、今日は桔梗さん宅の庭で基本の型の反復練習。……俺は庭に立てられた案山子相手に何度も竹刀で打ちつけている。樹も一緒に並んで同じく基本の型を稽古中だ。


昨日……往復80キロ+洞窟内を合わせると100キロ近く走ったけど、筋肉痛や関節の痛みは全く無い。その辺りはさすが異世界……というより夢だからアリなのか?それでも疲労感とかはあるから……変な感覚です。


「基本は『心技体』だからね。これは道上さんという柔道家が使い始めた言葉だけど………これは、どの競技にも……武道全般にも言える事だと思う。」


体……基礎体力の上に技があり、技を磨いて機を狙う。これは桔梗さんの解釈だけど他の人も『基礎体力』は第一に挙げているからあながち間違いではないだろう。


それで昨日はマラソンで今日は基本稽古なのか。

それにしたって桔梗さんが教えるスケールがデカ過ぎて厳しいのですが……今だって基本の型1〜9を100回づつ………3セット目なんですけど?




午後になって合流した舞姉ちゃんも基本稽古は賛成で


「ほら足がガニ股になってる」


とか指導し始めた。結局休憩挟んで5セット終わる頃には夕方になっていた……剣術スキルは上がらなかったけど、それなりに手応えはある。


「『技』と『体』は分かりました。ところで『心』はどう訓練するのですか?」


「それならすでに昨日訓練している。」とは桔梗さん。


「『心』は抽象的でわかりづらいけど、『冷静さ』と思えば良いよ。練習で動けても本番……試合で緊張して上手く動けなかったり……熱くなりすぎて周囲が見れなくなるとか」


あーコボルトの回避訓練か。


「明日は休養日として、明後日はダンジョンに行きます。」


………このローテーション……持つかな?精神的に。


流石にこの後夕食を作るのは時間的に無理があるので冒険者ギルドで食べる事に。


「舞師匠は『クレープ』ですか。楽しみですね」


樹と舞姉ちゃんの料理コンテスト組が情報交換しながらの夕食だ。メニューは『カヤモリ』名物となりつつある『ケバブ』。レシピ公開してからそんなに日が経ってないのに『辛口ソース』が出来ている辺り、異世界の住人達も食に対するこだわりというか……探求というか発展具合がすごい。


「最近カレースパイスも各地に広まりつつあるから、料理コンテストも期待したい。」


「でも……予選は『スイーツ』なんですよね」


スイーツなんて概念……もっと遠いのかと思ったけどね。


「それも竜司君がレシピ等を秘匿せず、広めてくれたおかげだ」


いやあ……褒められて嬉しいけど………あれ?お菓子というか……スイーツって俺『あんこ』しか公開してないぞ?


「あんこやメレンゲクッキーで王妃が甘いものに魅了されたからな……」


メレンゲクッキーって1回しか作ってないし、食べたのは俺と楓さんとリリー位だぞ?……って王妃?


「竜司君達と王都まで冒険した事によって『食』に対するこだわりや『スイーツ』に対する憧れが出たのかもしれないな。料理コンテスト開催の企画を打ち出して来たのもリリス第一王妃の鶴の一声だから。」


………

……………

…………………

…………………………


「「「なんだってーーー!!!」」」


俺と桔梗さんの話を聞いていた舞姉ちゃんと樹も驚きの奇声をあげて……もちろん俺もビックリしているよ。


リリーは実はリリスで冒険者ギルドのギルドマスターで俺たちと共に冒険して………って王妃様?


王都へ来るまでの各町でのエッチな出来事って……


「俺たち……人妻に手を出したって事?」(ボソボソ)

「しかも『王妃様』って俺たちやばくね?」(ボソボソ)


異世界の倫理ってどうなっているんだよ……サキュバスとはいえ人妻が積極的に求めて来るって問題あるだろ。


「そうだ。王妃から書簡を預かっていたんだ。」


桔梗さんから手渡された手紙……丁寧に蜜蝋で封されてあるのだけど………



リュウジへ

今月末に行われる料理コンテストの審査員を任ずる




「へ?これだけ?」

しかも『任ずる』って俺の意思は無関係ですか?予定は……確かにないけど……武闘会の予選は別日だから大丈夫だけど……


「まあ私も審査員として呼ばれているから一緒か。」


桔梗さんは穏やかに微笑むが……俺なんかが審査員で大丈夫なのか?

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