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異世界は剣と料理と現代知識で  作者: わかね
第一章  昇級クエスト道中編
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071 合格は次のスタートで

「それで、あなた達は『盗賊』役を引き受けた訳ねー」


「ばい……」

「ごべんなざい……」

「えぐっ……えぐっ……」

「ふえーん……」

「……………」


周囲の冒険者達や商人達はすでにいなく、キャンプ場には俺達とリピピ達の昇級クエスト中のPTとギルド職員しかいない。

そんな中、仁王立ちの舞姉ちゃんの目の前には……地べたに正座して泣きじゃくるリピピ達4人と何故か正座している俺が。


「何で俺まで!?」

「竜司クンは笑っていたから同罪ですー」


理不尽な。それに俺は舞姉ちゃんの後ろにいたから分からないはずだぞ。

聞けば案の定リピピ達は金貨3枚で盗賊役を引き受け俺達を襲撃したそうだ。


「同じ3D(トリプルD)ランクなら、魔法攻撃で楽勝だと思ったので……」

問答無用でいきなり魔術レベル5とか相手が死んだらどうするの?


「それは……弱いのが悪い……」


考えるのを放棄してはダメだよ。結果を想像するのは子供には厳しいとは思うけど、光の矢って痛かったからね。


「取り込み中のようじゃが……」


リリーが会話に割って入って来た。


「とりあえず通告だけはするのじゃ」


通告?何かあったのか?


「リピピ達の昇級クエストは『不合格』とするのじゃ」


見るとリピピ達と一緒に来たギルド職員の右肩に一筋の傷跡とそこからしたたり落ちる血が。あれ?俺達って攻撃した?


「竜司が弾き返した光の矢だよ」


回避しようとして樹に止められたあれか。全部受けたと思ったけど、実際は一本は受けて、もう一本は弾き返したらしい。どうやったら弾き返せるの?同じ事を又やれ言われても無理だよ?


「護衛対象が負傷した場合……不合格というのは出発時に話したはずじゃ」


そういえばそうでしたね。だから樹は俺に回避させなかった訳か。


「竜司が回避していたら、アズさんに当たって俺達が『不合格』だった。」


「うむ。昇級クエストはあくまでも『護衛』じゃ。その本文を全う出来なかったのであれば、仕方がないのじゃ」


「あ!!」「しまった!」「又やり直し?」「……うわーん!」


四者四様でリリーの通告を理解したリピピ達。……でもまぁ時すでに遅いよね。


それにしても回避していたら、俺達が不合格って……そっちの方が怖いよ。残り20キロでやり直しとかガチで泣くレベルです。『遠足は家に帰るまでが遠足です』とは良く言ったものだ。


舞姉ちゃんも不憫に思ったのか正座を終わらせた。


「お兄ちゃんのバカー!」


あれ?俺……悪者にされてる?そもそも問答無用で魔法攻撃して来たのはそっちじゃないか。

魔法を跳ね返すなんて無意識で出来ただけなのに……すんごく気まずいのですけど……


結局リピピ達は王都まで引き返すそうなので、王都まで同行する事になった俺達。リピピ達は馬車の荷台で舞姉ちゃんと話し込んでいて、俺が声かけても『ふん』とか『べー』とか……取りつく島もない状態。


………別に人気者でありたいとは思わないけど、こう……あからさまに嫌われると落ち込む訳ですよ。




その後王都までは何事もなく到着した俺達。

そして………城門近くの冒険者ギルドのギルドカウンターにて待望の瞬間


「これにて昇級クエストは終了じゃ。合格おめでとうなのじゃ。」


………やっと終わったーー!!合格した嬉しさより、安堵感のが勝る。最後に落とし穴あったし。


リリーが『右手を出すのじゃ』いうのでイディさんとミディちゃん以外の4人が右手を差し出した。リリーは杖先を俺達の右手にあてがい、すぐさま右手の甲が青く発光する。


「ふう。これで完了なのじゃ」


すぐにギルドカードをチェック……右手の甲に内臓されているギルドカードが3D(トリプルD)からCCに更新された……ってCC?


「……ほら。道中が普段より少し長かったから、CCランクの経験値まで溜まっていたのじゃ」


少し?あれを少しというのだろうか……それに戦闘という戦闘は黒狼と……銀狼は倒した事になるの?


「護衛の道中は1キロで1ポイント加算されるのじゃ」


「『ドラゴンウォーク』かよ」


樹がやれやれという感じでつぶやく。歩けば歩くだけ自動で戦闘したり経験値が溜まっていくスマホゲームがあるらしい。『基本無料だ』とも言っていたし、俺も導入してみるかな。


「それと、残り54日の夕食担当じゃが……早速明日からでよいかのう?」


今日からって言われないだけでも助かる。

ともかく……最後まで俺の事を毛嫌いしていたリピピ達と別れて、桔梗さんから使用許諾をもらった家へ行く事に。

夕食までは多少時間があるから、少しゆっくりしたい……のだけど……


権利書に書いてあった住所にいくと……そこは西洋風の立派な門、立派な庭園……そして3階建ての大きな屋敷。


「「「「え?」」」」


4人共絶句。住所は……間違いなくここだ。


「詳しくは管理している執事に聞けばよい。」


リリーとアズさんは『役目は終わった』とばかりに冒険者ギルドへと帰って行く。


確かに活動拠点は必要だよ。毎日の宿代に四苦八苦する必要がなくなって嬉しいよ。……でもね……


心の安寧って必要だと思うんだけど……

立派な豪邸を前にはしゃぐPTメンバー。それを横目に胃が痛くなってくる俺。


無事に昇級クエストはクリアできたけど、王都での生活に不安しかない俺だった。

今回で『昇級クエスト道中編』完了です。

次回から『王国祭と文化祭編』スタートします。


【お知らせ】

更新頻度ですが、公私とも多忙になってきており

次回以降は毎週土曜日更新とします。

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