064 銃火器は封印で
2022年 6月15日(水)〜16日(木)異世界サイド〜
アイカサの町を素通りする事になった俺達は残り80キロとなった行程をひたすら歩く。
海岸線とは別れを告げてこれからはなだらかだけどずっと上り坂。
流石にランニングは海岸線のみで助かった……
王都まで近くなった事もあり、すれ違う人……商人や冒険者なども増えていて、中には犬人や猫人といった獣人の姿もちらほら。
ファンタジー定番のエルフやドワーフなんかは見ないけど、リリー曰く別大陸には人間と共存している国とかもあるそうだ。
まぁ、別大陸に行こうにも船代は相当高いらしい。
『らしい』ってのは料金は船によってまちまちなので一概にはいえないけど、最低でも金貨30枚はかかるそうだから、無一文の俺達には縁のない話だ。
路銀が無いので、途中で魔物を狩ってまたで売り捌いて資金にするか、手持ちの道具を下取りに出してお金を作り出さないと露店開設の資金にもならない。
「ごめんよ……」
リリーに忠告されていたにもかかわらず、古典的なスリ被害にあったので謝る事しか出来ない俺だったが
「気にしないでー」「露店で稼げばいいのよ。」
「またどこかの森で獲物を狩って稼げばいい。」
と三者三様に慰めてくれる……持つべきものはPTだな……
また、ミディちゃんは赤い鞄をおずおずと出してきて
「これ売ったらお金できるよ……」
……それしか手持ちないんだから大切に保管しておいてよ。それは売れないって。
まぁ、何とかなるでしょ……俺も舞姉ちゃんの気楽に構えてみようかな……
「同じ失敗はしないでねー」
舞姉ちゃんから釘を刺された。
考え事がまた顔に出てたらしい。
「それにしても……妙だったな…」
「何が妙なんだ?」
港の船……帆船ばかりで、蒸気船はなかった事からこの時代背景は案の定、中世ヨーロッパがベースになっている。にもかかわらず船には大砲の一門すら設置されてなかった……って樹は見る視点が他の人と違うよな……
そういえば、剣や弓はあるけど銃火器は売って無かったか。
「マスケット銃もそうだし、火薬なんて11世紀に中国で発明されたはずなのに……」
魔法技術や錬金技術が発展したから、火薬の類は発展しなかったのだろうか……
「銃社会なんかよりずっといいけどね」
確かに……日本だと馴染みがないけど、ニュースで銃乱射事件とかたまに流れて来るから。
「人は糧を得る以外にも殺し合いするからのう……」
リリーが会話に乗ってきた。『火薬』でも不思議がらないのは何故だ?
「3年前に魔王国が蹂躙された話をしたと思うが……」
確かに以前そんな話をしてましたね。
「その時までは銃はあったのじゃ」
……初耳なんですけど。
魔王国は元々弱肉強食の世界だったのでは?
「全ては古代竜と3人の勇者が全てを破壊して去っていったのじゃ」
勇者……ファンタジーの定番ですね。
文官であった者達と傀儡の王はそのままに、武闘派であった5人の将軍とそれぞれ抱えていた私兵は全滅。
「銃火器を封印する事が存続の条件じゃ。」
銃火器が古代遺跡から出土した場合、王都で買い取りを実行して世に広まらない処置もしているという。
「それが勇者……GMとの約束じゃったからのう」
なんかとんでもないキーワードが出て来たぞ。
ここ数回文字数少なくて申し訳ございません。
2月2日に身内が亡くなり、思うように時間が取れない状況です。告別式は昨日でしたが、各種手続き等残っているので次回更新は未定とさせていただきます。
すみませんがよろしくお願いします。




