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異世界は剣と料理と現代知識で  作者: わかね
第一章  昇級クエスト道中編
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059 あんバタはやみつきで

2022年 6月 6日(月)〜7日(火)異世界サイド〜


早朝にもかかわらず見送りに来てくれた百合香さんと桃ちゃん。餞別代わりに……と魚醤を3本頂いた。まだ自宅にはストックがあるそうなので遠慮なく頂く事にする。昨夜の露店で手持ちの魚醤は尽きたからありがたい。町の城門から手を振る2人に『また遊びに来ます』と告げて出発する。


「昇級クエスト再開じゃ」


リリーの掛け声で海岸線の砂浜を北へ進み始めた。


「すごいな……これは。」


砂浜に馬車なんて簡単にスタックすると思いきや、砂の粒子が非常に細かいらしく、湿り気を帯びた砂浜は硬く走行しやすいとか。ただし、湿っている所限定で


「乾いている所を通るとああなるのじゃ」

リリーが指差した先にはスタックした馬車を押している数人の男達。一旦スタックすると脱出するのに相当時間かかるとか……怖いな。ポイントは色が変わっている所を進むとか。


「まるで『千里浜なぎさドライブウェイ』なのー」


日本にも北陸地方に海岸線の砂浜を走れるところがあるらしい。でも海沿いでしょ?錆とか大丈夫なのかな?ちゃんと洗い流せば大丈夫?一回行ってみたいなー


いつもの街道だと、どうしても振動で大変な馬車も

凹凸がほとんどない砂浜なら馬車の移動は快適でしかも早い。例え荷台で荷物に囲まれていても。


……だというのに。


「ちょうどいいのー。樹君と竜司クンは走り込みするのー」

雑談が一区切りした所で舞姉ちゃんが師匠モードに変わってしまった。

「イエス!マム!」「えーなんでー」

反応が両極端な俺達。……樹よ。そういった反応していると舞姉ちゃんが『ブートキャンプ』とか言い出すからマジでやめて。


「『えー』じゃないの。リリーちゃん達とのえっちな事でしか鍛えてないでしょー?」

ビクッ

「ソ………ソンナコト……ナイヨ」


「それに、リリーちゃんに聞いたよー。誠さんは『妻と子供がいるから』ってサキュバスの誘いを断ってー、『魅了』も抵抗されたってー」

それを聞いた楓さんが

「へー。誠さんって一途だったのね……(ジロッ)『魅了』って抵抗できたんだー(ジロッ)」



「……さてと。身体が鈍るといけないからジョギングでもしようかなー」


なんか……この状況はやばい。逃げるに限る。

だってしょうがないじゃないか。思春期の男の子ですよ?もちろん興味ある。抵抗なんてしませ……いややめておこう。『抵抗したけど術が強かった』という事にしておこう。


………バレバレだろうけど。


「馬車の往来が多いから、波打ち際を走るのよー」


見ると確かに馬車の行き来が多い。商人の荷馬車がほとんどかな。

「波打ち際か……」

それって結構足を取られて体力削られるんだよなー


リリーからの情報によればこの砂浜の街道は南北に70キロほど続いていて、その終端が次の目的地『アイカサ』


「ま……さか……全行程……走らせないよ……ね?」


同じくジョギングしながら並走する樹へ同意を求めるが、


「それならそれで構わないが」


お願い。構って。フルマラソンだって42.195キロですよ?しかも波打ち際で足場も良くないし。


「パパがんばれー」

ミディちゃんは馬車の荷台から元気に応援してくれてる。

時折り一緒に走って、疲れたら馬車の荷台でイディさんと一休み。遊び感覚だよな。


……

………

…………

「ぜーはー。ぜーはー。」


ジョギング20キロはやばいって。何度か休憩は取ってくれたけど、倒れるかと思ったわ。しかも『十分ひとまる休憩ー。後、野営準備に取り掛かれー』って完全にブートキャンプのノリだよね?舞姉ちゃん。


「イエス!マム!」


樹は元気に応対して……このノリ……ついていけません。


「剣道部で毎日10キロ走っているからなー」


入部したての新一年生は体力増強の意味で今は走り込みがメインなんだそうだ。


とりあえずテントとかの設営は他の人に任せて夕食作りますか。

疲れた時は甘いものが欲しいよな………って閃いた。

昨日の市場で仕入れた『小豆』……あんこでも作るか。


『渋抜き』……茹でこぼしを2回して弱火でコトコト。

楓さんにショ糖を錬成してもらい、小豆が柔らかくなったら小豆1:ショ糖0.9の割合で投入。

水は少しずつ足して小豆の形が崩れないように……


後は塩を入れるのだが、水もショ糖も錬金術で生成した品だからミネラルとか皆無なんだよな………仕方ないのでターガナの町で仕入れた岩塩を削りながら投入。


料理スキルの『圧力調理』などを駆使して夕食時にようやく完成した自家製『あんこ』。俺は『つぶあん』派なので裏ごしはしません。


柔らかく焼きあげてアイテムボックスに保存していたパンを取り出し、あんことバターをたっぷり乗せれば……


「な……なんじゃこれは!!甘い夕食は初めてなのじゃ!!」


リリーが大絶叫。そして一心不乱にかぶりつく。

お子様舌のリリーはそうなるよねー。


他のメンバーからも大好評。もちろん俺もたっぷり頂く。


「くうー!」


疲れた身体に糖分はありがたいよ。ショ糖をもう少し入れてもよかったかなー。


「これ……鍛冶屋で型を作ってもらって、大判焼きとか……たい焼きとかいけるんじゃね?」


大判焼きの型は出来そうだけど、たい焼きの型は厳しくないか?まぁ……でも樹の案は採用して次の町では『あんこ』祭りになりそうだ。


「こんなに美味しいもの……毎食でも良いのじゃ」


リリーは熱望するけど、毎食は流石にやらんぞ。

今川焼き→大判焼きに変更しました。

『今川焼き』は関東圏限定の呼び名なんですね。


指摘ありがとうございます。

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