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異世界は剣と料理と現代知識で  作者: わかね
第一章  昇級クエスト道中編
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054 余裕は大事で


立ち話も何なので……

露店の片付けを手伝い、冒険者ギルドで話を聞く事に。


舞姉ちゃんと樹は裏庭で訓練中だったが、切り上げてもらい話に加わる。現実世界の事だからイディさん達は呼ばない。


丸山さんは3人暮らし。奥さんと小学1年の娘さんと醤油工場の近くのアパートに住んでいる。


「3月末に家族全員コロナに罹患しまして……」


娘さんの入学式の時は誠さん入院中との事


「基礎疾患持ちでしたので、優先的に入院させられました。」


糖尿病と高血圧ですか……

それでも酸素濃度は大丈夫だったので、補助装置とかは使ってないそうだ。


「それが4月の下旬から急に現実世界で目覚めなくなりまして……」


………

…………

……………


俺達4人とも言葉が出てこない。


ひょっとして………『容体急変』とか……


現実世界あっちでは亡くなっているのかもしれませんが………」


誠さんも同じ事は考えていたらしい。


「異世界の転生ものは大概は現実世界で亡くなってますから……」


確かに。それで現実世界での調査依頼か……


「ところで……」


誠さんが不思議がっているのは

俺達家族や友人がどうやって一緒に異世界を旅出来ているのかという事。


『胡蝶の夢』アプリがQRコードを兼ねているのを知った誠さんは悲しそうな顔をしながら呟く。


「そうでしたか………もっと早く知っていたら……」


知ったとしても家族全員で異世界は厳しいぞ……

娘さん……6歳でしょ?


とりあえず丸山さんの住所と電話番号

そして勤務している醤油工場の名前を教えてくれた。

埼玉県川越市ですか………戻ったら調べよ。




2022年 6月 3日(金)現実世界サイド〜


「むう……どうしたものか……」


考えているのは昨夜の異世界での事。

丸山さんという異世界で醤油を作っているおじさんと出会い、現実世界に戻れない……といった相談を受けたのだが………



異世界で丸山さんの住所や携帯電話の番号を聞いたのだが、現実世界に戻って『記録』をみて……綺麗にその部分だけ消えていた。

個人情報保護とかの関連だろうか。微妙に使えない。


そういえば現実世界でも醤油作っているって言っていたな……大きな工場ではなくて町工場の。


その醤油工場の名前は携帯の行動記録に残っていたのでパソコンを起動して………


「あった」


検索でヒットした醤油会社のホームページは確かに異世界で話していた住所だった。


電話番号も記載されてあるので連絡は取れそうだが……

本人が現実世界て目覚めてないのに電話なんて取れる訳ないよなー。しかも亡くなっているかもしれないのに……


「竜司クンおはようー。どうしたの?」


そうこうしているうちに母ちゃんが起きて来たので、昨晩の事を相談してみる。


「電話をかけようにも、どう話を切り出して良いか分からないから……かけずらいのよね。」


『始めまして。ご主人は亡くなりましたか?』

なんて電話かける訳いかないじゃないか。

失礼極まりないし、

俺の所にそんな電話かかってきたら……秒で切る。


「そういう事なら、私に任せて欲しいのー」


うん。任せた。丸投げする。


「お昼休みの時にでもかけてみるかなー」


電話をかけるにしても現在……午前7時半はマナー違反……


……

…………ん?7時半!?


はっ!!!やばっ!!


考え事していて時間を忘れてしまってた!!


慌ててお弁当を2つ作り


「行ってきまーす!」


そのまま飛び出すように学校へと駆け出す。



東北地方の6月は暑くはないけど、走らないと間に合わないから、学校着く頃は汗だくなんだろうな……




「もう少し時間に余裕を持って行動しなさい。」


お昼休みの調理室。

部長からの忠告に返す言葉もありません。


学校には間に合った。ギリギリで。

汗だくの俺を見て深いため息を吐きつつ

制汗シートを差し出してくる樹。


「珍しいな……竜司がそんなに慌てるの」


「考え事していたら時間やばかった。」


「その汗だくの姿と血走った目を見ればな」


そして授業の用意をしようとして気付く。

お弁当……忘れてきた。


料理部は基本的に購買の利用を禁止している……が

無い物は無いので購買で調理パンとパック牛乳を買って調理室へ行ったら……部長の楓さんと廊下で鉢合わせ。

上記の忠告を受ける事になった訳だ。


「それだけじゃ足りないでしょ。」


と楓さんからアスパラのベーコン巻きと卵焼きをもらって……他の先輩方がチラチラこっちを見てくるんですけど?


ヒソヒソ……会話の内容は聞こえないけど、何を話しているのか想像出来るのですけど?


視線は気になるけど、時間が無いので早速いただく。


「あ……美味しい」


卵焼きに……チーズと生クリーム入れてるな…

アスパラベーコンもコンソメの風味がある。


しかもどっちも薄めの味付けで俺好み。


「料理が出来る所も見せないとね」


流石は料理部の部長だけはある。


「ご馳走様でした。」「お粗末様でした」





家に帰ると置き手紙があって


「竜司クンのお弁当は冷蔵庫に入れておくよー」


俺の夕飯はこれか……


母ちゃんは上手く電話できたのだろうか……

気になる所ではあるが、俺にはどう話を切り出していいのかわからないからなー


母ちゃんの……一人分の夕食を作りながら

丸山さん一家の現状に思案をめぐらせていた。


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