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異世界は剣と料理と現代知識で  作者: わかね
第一章  昇級クエスト道中編
53/104

052 カレーライスは2つの鍋で

「………はぁ」


舞姉ちゃんはどこで聞き耳立てていたのだろうか……地獄耳とはこの事を言うんだろうな。


「バカ舌で悪かったわねー」


と軽く捻くれた後に待っていたのは

俺と樹への特訓。……と称したしごき?

1対1での実戦稽古をたっぷりと。

もちろん舞姉ちゃん相手で………


容赦の無い舞姉ちゃんからの面や胴、

小手を打ち込まれ、体中に青あざ作りました。

防具を付けてないのに酷いです。

え?これでも手加減している?

そりゃそうだろうけど、痛いものは痛い。


そして夕食リクエストは

当然のごとくカレーライス。


さすがに……あの舞姉ちゃん専用スパイスで作るカレーライスは食べたく無いので

2つの鍋で作りましたよ。もちろんもう一つの鍋には辛さを抑えた中辛でね。


バターを溶かした鍋に小麦粉を少しずつ入れてルーの素を作り上げ、それぞれの鍋に投入。


赤黒い……禍々しい鍋はもちろん舞姉ちゃん専用なのだが、イディさんとミディちゃんが興味深々で覗き込んでくる。


「これは滅茶苦茶辛いから、別の鍋の中辛を食べようよ。」


犬や狼等では禁忌だった玉ねぎも『犬人』だと全く問題ないと判明したので、イディ親子も俺達と同じ食事だ。


『奴隷が主人と同じ物をいただくのは……』


なんてイディさんは恐縮していたけど………面倒くさいので、同列に扱うことに慣れるよう『命令』した。


この国の『奴隷制度』は犯罪奴隷だけだけど、他の国では普通にあるらしい。

身分制度は現実世界あっちでも近年まであったからな……異世界で残っていても違和感は無い……か。

むしろ魔族の国だったから貴族は見当たらなかったけど、人間の国に現れていたら貴族とか居たのだろうか?


貴族社会なんて関わりたく無いから、助かったというか運が良かったと言うべきか。


そうこうしているうちにカレーライスが完成。

明日には港町に着けそうだし、シーフードカレーなんか良いかもしれない。生食文化は無さそうだし、危険を犯したくも無い。微生物とかあると危険だからねー。


「おー!!美味しいのじゃー!!」


当然のように夕食を一緒に食べるリリー達。

食材は俺達持ちだから、当然残り日数から引きます。


「どうじゃ?妾達の専属にならんか?給金ははずむのじゃ。」


ありがたい申し出だけど、毎日現実世界で介護パンツ履く事になりそうなので丁重にお断りする。魅了されると手も足も出ないから。


「残念なのじゃ……」


まぁレシピはアズさんに教えているし、材料さえ揃えば誰でも簡単に作れるから大丈夫だと思うよ。


「こっちの鍋のカレーも美味しいです。」


え?イディさん……

赤黒いカレー食べてる………


見るとミディちゃんも一口いってる。


「マジか……」「大丈夫なの?」「見るだけで辛そう」


俺、樹、楓さんの感想をよそに

舞姉ちゃんとイディ親子が美味しそうに

激辛カレーライスを食べています。

イディ親子はブンブン尻尾振りながら


リリーもしかめ面して3人を眺めているけど、

俺達も同じ意見だよ。


「ひょっとしたら、カレーライスになれば『旨辛』になるのか?」

樹が先陣を切り、少しだけ自分の皿へよそって………


パクッ


……

………

…………

カッと目を見開いたかと思った後に


「み……水……」


案の定轟沈していた。無茶しやがって……



夕食を食べ終え、

テント張りなどの野営作業をこなしている時

ラーガミーガの方向からの馬車がやってきて、

俺達の目の前で止まった。


そしてわらわらと馬車の中から出てくる人達。


幌付きの馬車が3台と御者6人

警護している冒険者10人位……

全員がっしりとした男のみ。


それら全員が俺達を……というより

簡易竈の鍋を凝視している。


御者の1人がイーサイと名乗り

ここから400メートル離れた場所に

野営しようとしていた所、匂いに釣られて

移動してきたそうだ。


(そこまで漂っていったのか……カレー恐るべし)


俺達は夕食も食べ終えたし、残り物で良ければ…と

無料で提供しようとしたのだが……


イーサイさんは『商人は無料で物をもらう事はしません』と言い張ってラーガミーガ特産の調味料を5本渡してくれた。


500ミリのペットボトルくらいの大きさのガラス瓶。


蓋を開けて……匂いを嗅ぐと……紛れもなく『醤油』だ


「醤油だ……」


「おや?ショウユをご存知で?」


イーサイさん曰くこの『醤油』は先週から売り出した

ラーガミーガの新しい特産品との事。


『絶対売れる』と商人の勘を信じて行商の途中だとか。


……俺としては喉から手が出る程欲しい調味料だよ。


商談成立って事でカレー鍋に群がる男達。


「おー!!これは美味い!!」


「こっちの鍋も辛くて酒に丁度良い」


ガッチリした男達に好評なのは意外にも激辛カレー。

俺としても、持て余す程の辛さなのでマジで助かります。


「あのー……辛くないですか?」

思わず聞いてしまう樹……


「辛いが、またそれが良い。これを売り出したら絶対に売れるぞ!俺が保証する。」


保証される前に売れるのは実践しているからなー

売れすぎるのも問題なのよ。捌ききれないから。


「もし良かったら、レシピを教えましょうか?」


……さらに醤油瓶3本もらった。


イーサイさん……気前はいいけど、

商売人としてはどうかと思うよ。

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