表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界は剣と料理と現代知識で  作者: わかね
第一章  昇級クエスト道中編
33/104

032 金欠病は重症で

朝食を食べ終えたので、今日も王都へ向けて歩き出すとしますか…………そう思っていたのだが、


後片付けをしている最中にリリーから


「黒狼を処理するから待つのじゃ」


とストップをかけて来た。

あらら。


まぁ、食べる目的なら下処理は大事だよね。

護衛対象がそう言うなら待つしかない。



うちらが『大型犬』言ってたのは「黒狼」だったのか。




アズさんのアイテムボックスから死骸を全て取り出し


血抜きをするリリーの従者達。


血抜きといっても一晩経っているから

舞姉ちゃんが仕留めた7頭以外は難航している。


その後草原に少し大きめの穴を掘り、その中へ血抜きで出た血と内臓を捨てていった。


「内臓は食べないんだな。」


「新鮮な内臓なら処置するが、一晩経っているし道具も無い。」


アズさんが手を動かしながら答えてくれた。


料理担当だけあって手際がいい。


「そういえば、穴掘って血とか埋めるってどんな効果があるの?」


昨日の夜襲を受けた原因が気になった。


「匂いの拡散を防ぐのが1つ。経過時間を狂わせるのが1つ。」


匂いの拡散を防ぐのはある程度理解出来るけど、経過時間を狂わせる?


「液体は地中に染み込んでいく。」


鼻がいい動物は血の匂いを嗅ぎ付けるのが上手なだけではなく、地中の深度まで探り当てる。


地中まで染み込んでいる=獲物を狩った後、時間が経っている=この血の匂いを辿っても獲物にありつけない。


話し方がぶっきらぼうだけど、アズさんの説明は端的でしかも的確だ。


血抜きした後穴掘って埋めなかったから、地中への浸透は少なくて……まだ近くにいると「黒狼」にばれて………

夜襲を受けた訳か。


なるほどねー。勉強になるわ。




そして黒狼は食べないけど、このまま解体を見学……


と思ったのだが………


次々と増えていく内臓にギブアップ。


解体は俺には無理だよ。



解体に時間がかかって、出発出来たのは

さらに2時間経過した後。まぁしょうがない。


期限が決まってない「護衛」だから皆のんびりだけど、


そろそろお風呂に入りたいなーとは思う。


2日入ってないからね。


……

………

……………



東海道五十三次で出てくる「宿場町」


大抵は2里(8キロ)離れずにあるのだが、


この異世界……町以外は基本野宿だ。

そう言う意味では、ソロじゃどこにも行けないな。


ガラリーの町を出発して今日で3日目。

距離にして30キロ前後は歩いてる。


本来のC級への昇級クエストが

40キロ離れた隣町・・だったから

町まであと10キロくらいかなー


明日は町に着くだろうから、宿でゆっくりしたいなー


なんて考えていたけど、重要な事を思い出した。




お金………銅貨の1枚すらなかった。



どうしよう。


歩きながらみんなに相談。

もちろん警戒は怠らないように個別で相談する。



1:所持品を売って宿代にする


あまり大したものは持ってない。

舞姉ちゃんの刀以外は


……

…………

………………じいーーーーーー


「この子は………『白鷺』だけは売らないわよー!」


名前つけたのか。

しかも『白鷺』って城の名前でなかったか?


この世界は中古品は安く買える分

買取価格も相当低いんだろうと思われるので

売る気は無いから安心して欲しい。


舞姉ちゃんも安堵している。


そもそも、これ売ったら

何のために自分が働いていたのかわからなくなる。

戦力も大幅ダウンするし。



2:町に着いてすぐクエスト受ける。


ガラリーみたいに討伐クエストが人気だと

残りものしかないから、ある意味ギャンブルだなー。


「私がダイヤモンドを作れば………」


一回も成功してないじゃないか。


しかもそのせいで行き当たりばったりの

昇級クエスト受ける事になった自覚をして欲しい。



3:竜司を担保にお金を借りる。


樹に相談した俺が悪かったよ。

もうこれ以上は労働日数増やしたくないよ。


「なんじゃ?路銀が無いのか?」


リリーから呆れた声が返って来た。

見栄を張っても仕方ないので正直に答える。


「急な出費がかさんでなー。町に着いたらクエスト受ける時間はあるか?」


「町の中ではクエストは中断するから、大丈夫じゃ。

あくまでも、道中の立ち居振る舞いが対象じゃからの。」


おー。それは助かる。


「それよりも……じゃ」


他にも方法があるのか?


「『4:妾としとねを共にする』という選択肢もあるぞ」


「却下!」


昇級クエスト中は手出ししないんじゃ無かったか?


「町の中では中断するからのう。妾じゃなくても、従者でも良いぞ。」


グッ………


その提案は……


…………

……………


楓さんの目が怖い


サキュバスはギリセーフではなかったっけ?


え?


俺から申し出た場合はアウト………と。

判断基準がわからないよ………楓さんの



樹も笑ってないで、助けてくれると嬉しい。

舞姉ちゃんも聞き耳立ててないで、代案はありませんか?


金策で苦労する異世界は………胃が痛くなりそう。


とりあえず町に着くのは次の日だ。

問題は先送り……


最悪……町で野宿……かなぁ。




隣町まで10キロの場所で


今日の野営と夕食の準備をしながら


ため息しか出てこない俺だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ