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異世界は剣と料理と現代知識で  作者: わかね
序章  はじまりの町編
3/104

003 昨夜の夢は自動書記で

ピピピピッ……ピピピピッ……


春休み中で、しかも土曜日だけど

いつものように目が覚める。

下段の母ちゃんを起こさないように

そっと寝室を出て台所へ。


昨夜から仕込んでいた昆布を取り出し、出汁を味見。

うん。良い出汁だ。

味噌は白1:赤2がわが家の定番。具は重しを乗せて水分を切った豆腐と湯通しした油揚げ。

昔はおぼつかなかった料理も、動画やレシピサイトで何とか様になってきた。便利な世の中だなーってつくづく思う。


7時になったので母ちゃんを起こして一緒に朝ごはん。


「そういえば母ちゃん。『胡蝶の夢』ってアプリが入ってたけど、母ちゃん入れたの?」

「なにそれ?私は入れてないよー……って変なアプリかも知れないから、起動しちゃダメよー。」

「あ……」

スマホ初心者あるある?すでに起動したような……


寝室からスマホを持って来て画面を見たら、『胡蝶の夢』アイコンに新着メッセージが。

今注意されたにも関わらず、起動してしまう。


どうやら小説のようだ。

そのまま母ちゃんに確認してもらおうとしたが、小説の中に自分の名前を見つけて動きが止まる。


「え!?」

思わず読みはじめてしまうが、昨夜の夢の内容が詳細に描かれていた。

「夢だけど、夢じゃなかった?」


母ちゃんに昨夜見た夢の内容を話し、スマホを見せる。

「へー。面白い機能ねー。原理は全くわからないけどー。」


確かに。夢は目が覚めると内容をほとんど忘れてしまう。それがこういった文章で残るって聞いたこと無い。ましてそんなアプリがあるなんて……


母ちゃんはニヤニヤしながらスマホの小説を読んでいる。そういえば思考や感情も書いてあったか。

あわてて母ちゃんからスマホを回収。


「ほら、遅れるよ?これお弁当ね。」

顔が赤くなっている自覚があるので、顔をあわせないよう弁当箱を突き出す。

母ちゃんは今日は休日出勤なので、お弁当を作っておいたのだ。

「いつもすまないねーゴホゴホ」

「…………お約束ほしい?」

「竜司クンはつれないなー。……今日は夕方には帰るから、夜に一緒に狩りに行こう。」


そして玄関先で振り向き様に


「そうすれば、また夢に出てきて小説になるかもねー。」ニヤニヤ

「さっさと行けー!」


宿題も無いのでゲームでも進めていくか。

昨夜は母ちゃんのサポート(?)があったのでサクっとシナリオが進んだけど、自分の力でクエスト進めたいよねー


採取クエストをしばらくこなしていたが、討伐クエストを受注して、いざソロで勝負だ!

……

………

…………


ダメでした。どうしても勝てません。

やられる度に猫車に担がれてスタート地点へ戻って…挑んでまたやられる。


時間切れか全滅かの2択。

俺って才能無いのかなー。


夕食後は母ちゃんと討伐クエ。昼間の敵討ち(倒したのは母ちゃん)に成功した。

どうやったら攻撃をくらわないの?とアドバイスを求めだけど、


「バーっと切ったらグワってくるからススっと避けるー。」

うん。聞く相手を間違えた。


夢の中でアドバイスくれないかなー

冒険者ギルドで聞いてみよう。

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