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異世界は剣と料理と現代知識で  作者: わかね
序章  はじまりの町編
19/104

019 赤ずきんはフラフラで

平地プレーンなのにフォレストとは、これいかに?」


冒険者ギルドに着いたら、いきなり樹から出題された。何の謎かけだよ……


「どういうこと?」


「討伐する場所が、東の畑周辺だった。」


フォレストラビットは、畑周辺に穴を掘って作物などを食べるらしい。害獣か。


「だからボアよりもポイントと報酬が上なのか。」


猪も害獣には変わりないが、被害の大きさが違うのだろう。そうなるとなぜに『フォレスト』なんだろう。


「開墾して森を追いやられたウサギかなー?」


なるほど。それなら納得だ。


異世界こっちでも環境問題かよ……」


「……そういえば、さっきランクアップボーナス出たので、相談したいんだが……」


「私はアイテムボックスにしたよー」

「俺も」


はい?……あ……そうか。相互にポイント入るから、楓さん以外はランクDDか。


「大きさはスポーツバック1個分かなー」

「フォレストラビット4匹が限界だったからな。」


容量も実験済み……と。そんなに容量はないんだな。


「それでもボックス内は時間停止みたいだからー、アイテムボックスでもいいとは思うよー。」


「だな」


PTメンバー上限解放も捨てがたいけど……

現在4/4でいっぱいだし。


悩んだけど、結局俺もアイテムボックスを取得した。


「フォレストラビットは命の危険全く無いからー明日以降にこのクエ受注したら、竜司クンも参加ねー」


危険が無いならいいかな。





さてと。今日の夕食は…………


パンは天然酵母が間に合わないので、今日は米だ。

長粒種を研いで吸水させて、炊き上げていく。

スープはご飯が炊き上がった後で。


その間にみんなで材料準備。

ボア肉のバラを小さいサイコロ状に………

長ネギ、シイタケ、ニンジンをみじん切り……


お米が炊き上がって……蒸らし終わったら

一回全部ボウルに移す。結構重労働だな。


今日の夕食は『チャーハン』だ。

チャーシューの代わりにバラ肉使えば代用出来るし、

今日もラードがいい感じに仕事してくれます。


ミリットさんのお土産用に

出来上がったチャーハンを少し冷まして『おにぎり』に


異世界に中華鍋はないからフライパンで代用する。

火力がそんなに高くないから丁度いい。


『家庭ではフライパンを振らない方がいい』って

動画でも言ってたし。



あれ?


夕食時間が終わっても……後片付けが終わっても……

ミリットさんが来ない。


そう思っていたら、受け付けの別の女性が来た。

確か名前は……胸元に名札があるのだけど、注視するのは………誤解されそうでやだなー。


ミリットさんは体調崩して今日は早退したそうだ。

ちなみにこの女性はシェリルさん。


『ランクS.A』の受け付けだけど

この町[ガラリー]にランクSもAも居ないので

主に『宿泊』や『食事』の受け付けを担当している。


長めの髪は左耳の下でひとまとめにして、肩から胸元まで流している。ウェーブがかった茶色の髪と白いシュシュが良いバランスだと思う。

そして……かなり大きな………ハッ!!


身の危険を感じて思考を打ち切った。

思考まで『日誌』に記録されるのは勘弁して欲しい。


シェリルさんはミリットさんの代わりにバスケットを持ち帰る為、厨房へ立ち寄ったのだ。


昨日の事もあって、お土産用のバスケットは2つある。

俺達の朝ご飯用のバスケットは別に用意したので大丈夫。


シェリルさんは2つのバスケットを持ち上げ……


「ありがとうございます。」


……と冒険者ギルドを出て行こうとしているのだが……


フラフラ………フラフラ……と足元がおぼつかない。


「樹ー。これ持って先に帰ってくれー。」

「あいよー」


すでに舞姉ちゃんと楓さんは椿油を手に急いで帰ってる。


「送り狼になるなよー」

「病人に手を出す訳ないだろ。」


全く。失礼な。


教会と家は逆方向なので、樹と別れてシェリルさんと教会へ。もちろん荷物は俺が全部持ちますよ。


クッ……予想以上に重い。

『大丈夫ですか?』と心配してくれるシェリルさんだが、


この状況で『じゃあ1つお願いします』なんて

言え……ま……せ……ん!!!


冒険者ギルドから10分位歩いて……

教会に併設してある孤児院へ到着。


入り口扉前まで……最後の力を振り絞る。


腕……パンパンだけど、なんとか運びきった!!


「ありがとうございました。」

お礼を言うシェリルさんの背後には10歳前後の子供達が、最低でも20人以上いる。チャーハンの匂いを嗅ぎつけたのだろう……孤児院の入り口にひしめき合っていた。


奥からは小さい子供の泣き声やはしゃぎ声が……


「いったい……何人位いるのですか?」

「孤児院の子供達は全部で45人います。」


ミリットさんが昨日バスケット2個持っていく訳だ。


「お!リュウジかー。今日もありがとなー。」


入り口の子供達をかき分けながら来たのは、『B.Cランク受け付け』担当の…………


「カーリだよ。いい加減名前覚えてくれよ。」


胸元の名前プレートを注視したのがバレた。

赤茶色のベリーショートにニカッと笑うと八重歯が見える

結構……というかかなりボーイッシュなお姉さんだ。


「今日は『チャーハンおにぎり』ってメニューです。」


バスケットに群がる子供達。

だが、カーリさんがストップかける。


「おらー!お前たちー!!まずは『手を洗う』だろー!」


と聞こえるや否や一斉に走り去っていく……怖っ!


「その前にリュウジさんへのお礼ではなくて?」

「あ!わりーわりー!」


もうすでに子供達はいない。


「ミリットなら、離れの宿舎にいるよ。」


カーリさんはチャーハンおにぎりを3つほど

バスケットから皿へ移し替えて俺へと持たせる。


「リュウジが顔見せたら元気になるから、ミリットに会ってやってくれよ。」

「ミリットさん……体調崩したって聞きましたけど、大丈夫なんですか?」


「最近……あまり食事・・がとれてなかったから、それの影響かと思います。」


シェリルさんも心配顔だ。


「だから……リュウジが行けば大丈夫だろ?」

「そう……ですね。リュウジさん。ミリットの事……よろしくお願いします。」


何かの病気かと思ったけど、食事とれてないって……ダイエットでもしているのかな?

過度なダイエットは健康に問題出るからな……


ミリットさん……気にしていたのかな?


とりあえずこの『チャーハンおにぎり』食べて、元気になってもらおう。


「ミリットさん。俺です。リュウジです。」


2階建の離れの宿舎。1階の奥がミリットさんの部屋だ。

ノックして来訪を告げる。


「!!」……ガタガタ……ゴソゴソ……ガタン「イタッ」……


何も聞かなかった事にしよう。


「体調崩したと聞いて……シェリルさんから『食事とれてない』って聞きました。」


ガチャっと解錠する音が聞こえて、ミリットさんが顔を出す。少しやつれた感じがする。


「リュウジさん……ありがとうございます。わざわざ来てくれて……」


「いえいえ。俺……ミリットさんの力になりたくて……」


ミリットさんは、いきなり俺に抱きついて唇を奪う。


「リュウジさん。ありがとうございます。」


唇が離れ、涙を浮かべた双眸を…綺麗だと思った瞬間


魅了チャーム


というミリットさんの声と


『抵抗に…………失敗しました。』


という誰かの声。


薄れゆく意識の中


ミリットさんのお尻の辺りから尻尾が……見えて……


ミリットさんの手を取り一緒にベットへ向かい……


そこで意識は完全に途切れた。

平地プレーンなのにフォレストとはこれ如何に?」


「まぐわうのに『食事』と言うが如し」



************************


序章はもう少し(?)続きます。


・導入部分を大幅に改訂します。(11/14 改定済)

・タイトルを

「ファンタジーは自動書記で」

から

「異世界は剣と料理と現代知識で」

に変更します。(変更済)

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