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異世界は剣と料理と現代知識で  作者: わかね
序章  はじまりの町編
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014 部活動は料理部で

「ゲームで『眼』とか『足』とか言っても意味通じないでしょー。」


現実世界の朝食中。……母ちゃんはまた俺のスマホの『日誌』読んだな。母ちゃんの琴線は、容姿に関する事だから大丈夫とはいえ……


「それとー『俺の嫁は夢の中だ』ってならない様にねー。」

「ブフォ!」


朝から何という爆弾発言。


「恋愛の経験値を上げる意味ではありかもねー。ミリットちゃん可愛いかったしー。」


「……確かに綺麗なお姉さんだったけど、恋愛感情なんてないよ。その辺は『日誌』読んだならわかるでしょ。」


「『今は』でしょー」


ハグされた時はドキドキしたけど、外国じゃありふれた挨拶の1つだし……いちいち気にしていたら身が持たないよ。


「母ちゃんのお弁当は、台所に置いてあるから忘れないでね。」


強制的に会話を終わらせ、少し早いけど登校する事にした。


入学の翌日で部活動もまだ決まっていないから、教室1番乗りかと思いきや、すでに1人……樹が机に突っ伏している。


「竜司……あの世界すごいな。痛みも普通に感じたし、剣の重量感や切った時の感触とか……リアルと遜色そんしょくないぞ。」


……剣で切った事あるのか!?


俺の姿を確認した樹は、顔だけ上げて自分自身の両手をマジマジ見つめている。

……言われてみれば確かにそうだ。戦闘の時もそうだが、料理している時の匂いや熱、感触も忠実に再現されてあって…どっちが現実なのか………


「ああ……だから『胡蝶の夢』か……」


「確かに……あそこまで再現されると、異世界あっちで死ぬとどうなるのか……不安になるよなー。」


「だから招待するのを躊躇ためらったんだよ。」


母ちゃんといい、いつきといい……猪突猛進な人は困る。

もう少し『石橋を叩いて』欲しい。俺も人の事言えないが。


「それでも楽しかったぞ。ゲームの様でゲームではない感じが。……そうだ竜司。異世界あっちでいっぺん死んでみる?」


「やめてくれ。縁起でもない。」


クラスメイトも続々と登校してきたので、この会話は打ち切る。クラスメイトに広まって全員で異世界とかいやだ。母ちゃんいるし。


今日は部活動の紹介が午後に組み込まれてある。

とはいっても小さな学校だから選択肢は少ない。例えば野球部は近隣の高校と合同でようやく1チーム出来る位だし、サッカー部やバレー部は存在すらない。運動部であるのは野球部、卓球部、柔道部と剣道部の4択。

文化部は選択肢は多いけど、部員数が少ない『研究会』もちらほら。


「どれにする?」


いつきと顔をあわせて部活動の資料を見ながらウンウン唸る。

異世界の事を考えると『剣道部』もありかな?とは思うが……ふと目についたのは『料理部』。


「料理のレパートリー増やしたいから、これかなー。」


料理部のページを指差す。異世界でも料理は重要である。


残り99日ある無償バイト。調味料が塩のみという縛りがあるからメニューを考えるだけでも一苦労だし、一石二鳥だと思う。


「料理は竜司に任せるとして、俺は……無難に『剣道部』にしてみるか。」


現実世界こっちの剣道部で鍛えれば異世界あっちでも使えるし、無難っちゃ無難か。


「仮入部期間が1ヶ月あるから、合わなかったら変えればいいし。」


お互い方針を決め、放課後にそれぞれの部室へ。


『料理部』は校舎1階奥の調理室。


入部希望者は俺以外3名。先輩達は7名。全員女性……

入部希望者の中に吉沢さんの姿も。



料理部の活動は火曜日と金曜日の週2回。


その他に料理部の取り決めとして、毎日弁当持参で購買の利用は原則禁止。


この高校の食事事情だけど、学生食堂は営業してなくて駅前のパン屋さんが惣菜パンなどを売りに来てくれる。


料理部として購買を利用するのはどうなのか?という声に負け、料理部は部活動の他に毎日昼食時集合してお互いの弁当のプチ品評会を開催しているらしい。


仮入部期間は任意の参加だけど、7日間以上は来て欲しいと部長挨拶があった。って部長はいつきのお姉さんじゃないか。

確かかえでさんだっけ……最近は一緒に遊んでないけど、久しぶりに見た楓さんはモデルのような長い足と170を超える身長、シャープなボディライン。家系だなーって思う。



家に帰って夕食を作っている途中、いつきから電話が。


「ごめん。姉ちゃんに異世界バレた。」


「スマホ見られたのか?」


「いや。『竜司の料理』って話題が出てついポロっと」


それを『バレた』というのだろか。『バラした』だよな。

……でかえでさんもダウンロードした……と。

段々と知り合いが増えていくなー。


あれ?この場合楓かえでさんの出現場所はいつきのベットか?……うん。楽しそうだから話さないでおこう。


「そうだ。母ちゃんから伝言。『異世界あっちで討伐クエ受注出来なかったら、午前中も特訓に充てます』だってー。確かに伝えたぞ。」


「………」


返事がない。ただの屍のようだ。


しばらくしてLINEにやさぐれたLINE熊のスタンプが何度も送られてきた。

「そういえば、竜司クンが料理部に来たけど。」


「あれ?姉貴って生徒会じゃなかった?」


「うちの学校は兼部推奨よ。それに生徒会は部活じゃないし。それよりいつきは部活決めたの?」


「とりあえず剣道部かなー」


「料理部と兼部しない?男子は竜司クン1人だけなのよ。」


「えーそれはやだなー。俺……竜司と違って料理上手くないし。」


「へー竜司クン料理うまいんだ。」


「昨晩のウサギの香草焼きも絶品だったよ。」


「え?昨晩は肉じゃがだったじゃない。」


「あ……」

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