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異世界は剣と料理と現代知識で  作者: わかね
第二章 文化祭と王国祭編
103/104

097 予選突破は棚ぼたで

……

………

…………


「竜司君。予選突破おめでとうー」


夕食は冒険者ギルド内にある食堂で、舞姉ちゃんと俺……樹と楓さんという、いつものメンバーで祝勝会(?)なるものを開催中だ。

桔梗さんも誘ったのだけど、澪ちゃんの世話があるとの事で辞退。……桔梗さんが存命の内に目覚めて欲しいけど。


4人で囲むテーブルの上には、『メニュー全種類頼んだ?』って言わんばかりの食事の量。……これ何人前だよ。10人前以上はあるだろ……


うちのPTにそんな贅沢をする余裕あったっけ?と思ったけど、舞姉ちゃんと楓さんが俺に賭けていたので臨時収入があったから会計は心配するな………って別の意味で心配だよ。


こうやって味をしめたギャンブラーが、どんどんその深みにハマって抜け出せなくなる……って楓さんはすでに手遅れのような気もしないでもないが……


これ、俺が予選敗退していたらどうなっていたの?

……え?その場合は残念会になっていた?


………………俺の責任払いで?


………………………………


樹が俺の肩をポンポン叩いてくるが……やめろ。俺は同志じゃない。俺はまだ搾取されて……いたわ。色々と。


「しかし……最後何だったんだろ……」


テーブルに並べられた料理や果実を絞った飲み物を堪能しながら日中に行われた武闘会の予選を振り返る。


「最後ってあれか?7人に減った後?」

「そうそう。あそこでギムさんがPTを解散したんだよね」


あっギムさんってのは大剣背負った大男で、あれでドワーフってのもビックリするよね……


「まぁ、大方予想は出来るけどな。」


パーティー解散した後は全員敵になる訳だし、リピピなんて『待ってました』とばかりに俺へ向けて特大魔術をブッパしていたのだ。

流石に至近距離で放たれたから、回避出来ない……と覚悟を決めたのだけど、ギムさんとギムさんによく似た人2人が俺とリピピの間に立ちはだかって魔術を受け切ったのだ。


それどころか、そのまま攻撃に転じて…………俺だけ蚊帳の外の傍観者となって……そのまま予選突破の4人が決定してしまった。


第6ブロックを突破したのは、ギムとギル兄弟と俺。……そしてギリギリ耐え切ったリピピ……以上4名。


リピピは魔術が通じないと見るや、ギム・ギル兄弟から距離を取って元パーティーメンバーを盾に……囮に……


なんか……元パーティーメンバーからヘイト集めているけど、リピピよ………大丈夫か?今後の冒険者生活を考えると、裏切るのはあまりオススメしないぞ?


……見ているだけの俺が言えた事じゃないけど。



「ギム・ギル兄弟が外部と通じて、竜司へ大量に賭けていたんだろうな……」

「そうか。それで竜司君の配当がかなり減ってたのね……」


樹が第6ブロックを総括して楓さんも納得した感じか。

実際そう言われれば納得出来る。特に最後なんかあからさまに保護されてたし。

……………むう。でもそれって八百長じゃね?なんかダシに使われた様で面白くない。


「でもまあ、お陰で竜司も予選突破出来たし、姉貴も舞師匠も臨時収入で……良かったのでは?」

「俺……この予選って走ってただけだったような……」


スタート直後から走って、右へ左へと文字通り東奔西走。

戦闘もちょくちょくあったけど、俺の剣は当たらず……敵の攻撃は交わしきれなかったけど、そんなにダメージは受けてない……タンクと呼ばれる盾役同志の不毛な殴り合いだったからな……俺は。


「攻撃は一朝一夕で上達出来ないからー。まずは耐久力を上げる特訓だったのー」


「あの特訓があったから突破できたと言えば、そうだけど………二度とやりたくないは無いな……」


…………毎日80キロマラソンとか狂気の沙汰だったし、現実世界あっちで同じ事やったら、絶対に足とか膝とか壊してるって。


「ここの世界はレベル制ではないから、鍛えれば鍛えるだけ

育つって感じなのかな?」

「大体そんな感じなのー」


レベル制のRPGだったら色々やった事あるから、分かりやすいし育てやすいけど……


「現実世界にはレベルなんて物は存在しないから、丁度良いんじゃないか?」


HPだけ馬鹿に高くて他が全くダメダメだから、決勝トーナメントへ進んだとしても……ねぇ。


「大丈夫だよ。安心してくれ」


おお!流石は樹。決勝トーナメントに何か秘策があるのかな?


「1回戦の対戦相手に全額賭けるだけだから。」


…………ブルータス。オマエモカ。



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