番外 村長のダイン視点 〈第23回村会議〉
ダインがナレーターの役をしています。
理由 自分の頭の中で整理をつける為にやっている。
ダインは、聞かれていないと思っています。
ダイン視点
私のアイリス様の第一印象は、此奴本当にあの領主の子供か?でした。なぜならいつものように馬車に敵意を向けていると同情の視線が私に向いている事に気づ来ました。視線の元を気づかれないように見るとその子は女の子でした。今度はその女の子から「またか」というような視線を感じました。
なぜ「またか」なのかを考えていると、領主が降りてきました。それと一緒に女の子も降りてきました。
「おい!この子は私の娘だ。これからは私の娘が領地に来るからな。」
「分かりました。よろしくお願いします。失礼ですがお名前を伺っても?」
「アイリスよ。失礼ね。そんなヒョロヒョロで大丈夫?もっと食べないと。私の目に映るのには、相応しくないけれど私は優しいから許してあげるわ。」
アイリスと言うのか、心配しているのか貶しているのか分からないな。でも敵だろうな。
「私は、ダインです。アイリス様。」
「案内をよろしくな。俺らは屋敷に行っているからな。」
「分かりました。」
なんて、無責任な。さぞ、傷つく事だろう。何っ傷ついていないだと!気にかけられていない事が、当たり前なのか?まあ行くか。案内をしていると、この村に一人だけいる医師のケインが
「貴女、大丈夫?」
とアイリスの腕を掴んで言いました。するとアイリスは、ビクッとなり、身に着けているドングリの笠に穴を開け紐を通したブレスレットを掴んだ。ケインはケインで目付きがきつくなってい
る。
「触らないで!」
とアイリスが言ったとたん皆の目付きがきつくなったが、なぜきつくなったかが分からない。
「ダイン、早く案内を済ませて頂戴。」
「はい、分かりました。」
私は、アイリス様が私の名前を覚えていたのが驚きだった。何故ならば現領主は、10年目に
も拘らず、私の名前を憶えていないからだ。だからこそ様をアイリス様に付けた。っと驚きが声にまで出ていたのかしかし、トンビが鷹を生んだか
「何が驚いたのかしら」
と言われたが
「いいえ、何も」
と返すと
「ふぅんそう」
となかったことみたいにされた。
「もう少しで屋敷に着きますがどうしますか?」
「続きは明日にするわ。」
「さようでございますか。少しいいでしょうか?」
「いいわよ。何かしら?」
「そのブレスレットは何でしょうか?」
「命の恩人からのプレゼントよ。」
「そうですか。」
屋敷に着くと
「では」
私は、帰りました。そして、掲示板を見て、
「明日の朝に第23回村会議が。」
と呟くと家に入りました。
〈第23回村会議〉
「第23回村会議~!」
「今度の議題は、アイリス様の事です。」
「村長!様はつけなくてもいいんじゃないのか?」
「いいや、私個人がつけたいんだ。皆はつけなくてもいいけどね」
「私も付ける!」
そう言ったのは、医者のケインだった。
「ケイン!お前まで。理由をきかせろ。まず、村長からだ」
「私がつける理由は、アイリス様が私の名前を一回言っただけで覚えていたのと、私の体を心配して
いてくれたのと、領主達に虐待を受けていると思ったからだ。」
ざわざわ
「次、ケイン」
クインが強引に話を進めた。
「私がつける理由は、夜中に食料等が配られたでしょう?」
「まさか!」
「その、まさかよ。昨日の夜私は起きていて、気づかなかったアイリス様が来て慌てて色んなのを置いて去っていったわ。そう色んなのをね。」
「証拠は」
「アイリス様が落としたものよ。」
そう言ってケインは何かを取り出した。それは、一個の宝石だった。
「っけ。お貴族様は、宝石ばっかだな。」
「なにを言っているの?馬鹿じゃないの?これは、レプリカよ。」
「は?」
「アイリス様は、宝石を売って、レプリカを買い、余ったお金で色んなのを買ったのよ。あと、あの体も作り物ね。本当の形は、もっとガリガリよ。」
スゲー、これだけでそんな事を想像できるなんて。
「なるほど、」
「俺、様つけようかな。」
「「「「「私も!」」」」」
「「「「「俺も!」」」」」
「じゃあ皆“様”をつけるのね。あと、アイリス様は隠しているつもりだから、知らん振りをしてな。」
「「「「「「「「「「分かった」」」」」」」」」」
ちょびちゃんは、焼き芋や食パン、桃等が好物です。