4 交渉
今回は、ストーリー重視です。
マイオンのいる部屋から出たアイリスは、予め用意していた服に着替えると隠れるように屋敷から出ていきました。今からアイリスの行く場所、それはある商会でした。その商会は、スウェ失礼いたしました。スウォーイツ商会という、世界一口が堅いと言われる商談でした。
そこまでの道では気配を消しながら、行っていたアイリスでした。7歳の貴族にそんな芸当はできないだろうと思う人もいると思いますが、下働きとして教育されていたアイリスにとっては簡単にできてしまうのです。
これは、良いのか悪いのか分からなくなるわね。
スウォーイツ商会に着いたアイリスは、カウンター行ってから気配を消す事を辞めました。受付の人はアイリスに驚いていましたが、直ぐに戻しました。
(凄い!屋敷にはこんな優秀な人はいなかったよ。)
「売り買いをしたいわ。」
「しょ、少々お待ちください。」
そう言われて待っていると、
「準備が出来ました。」
(準備なんてしなくてもいいのに)
そう思いながらアイリスは、案内してくれる人についていきました。
「こちらでございます。」
そう言われてアイリスが中に入るともう商人が、いました。
「すみません。待っていましたか?」
知り合いでもないのにアイリスは、何故かそういっていました。
「いえ、待っていません。」
商人さんも、何故かそういっていました。
これじゃあまるで待ち合わせをしたときみたいになっているわね。
「失礼ですが、お名前を伺っても?」
「いいですよ。私は、しょかと呼ばれています。ルンド・アイリスさん。」
「!なぜそれを」
「やはりそうでしたか。心当たりがあるのがあなただけでしたから。」
「そうですか、では口調を変える必要はありませんわね。」
「そうですね。今日はどうしてここに?」
「もちろん。交渉ですわ。」
「そうですね。では、交渉と行きましょうか。売り買いと言ってましたがなにを売ってくれるのですか?」
「宝石と服ですわよ。」
「そうですか、では見せてください。」
「これですの。」
そう言って鞄から宝石と服を出しました。
「おお~これはこれは、最高品質の物ではないですか!本当に売っていいんですか?」
「最高品質だと分かっていて売りに来たんだから当たり前じゃないの。ああそれと、服は未使用よ」
「そうですか。これは、100億ですかねぇ。」
「安すぎでしょう?1000億!」
「200!」
「900!」
「300!」
「800!」
「400!」
「これ以下は譲れないわ700!」
「分かりました。700億で手を打ちましょう。」
「フフッ交換成立ね。次は購入の方よ。」
「そうですねぇ。何をお買い求めですか?」
「そうね。今売った宝石のレプリカと水と医用品と食料を頂戴。」
「分かりました。今からもってこさせます。」
ボソッ「ああ、貴方上位の者ね。別に下っ端でも良かったのに。」
「なんか言いましたか。」
「いいえ。何も言っていないわ」
「そうですか。」
色々な会話をしているうちに物が運ばれて来ました。
「ああ来ましたね。では、交渉を開始しますか。700でどうでしょうか?」
「高すぎでしょう。100!」
「そちらこそ、安すぎです。600!」
「200!」
「500!」
「これが最後よ、300億」
「分かりました。300億で。」
「フフフありがとうね。」
「こちらこそこんなに楽しい商談をさせてくださりありがとうございます。さて、こんな大荷物持つのは大変でしょう。っという事で鞄型の魔道具【カマグ】を買いますか?」
「貴方って本当に商売が上手ね。買うわ」
「では、少々お待ちください。」
「分かったわ。」
「そういえば、貴方様にプライドはないのですか?」
「あるわよ。プライドくらい」
「ですが、高級品をバンバン売っていたではありませんか。」
「見た目が私のプライドではないからよ。」
「では、何がプライドなのですか?」
「貴方段々とえんよがなくなってきていない?まあいいわ。私のプライドわね、折れない事よ。ここで大事なのは、行動。決して見た目ではないわ。」
「そうなのですか。」
その時!
物が入ってきました。そして、机の上に並べられました。
「左から平民の一般的な家が入る物、貴族の一般的な家が入る物、王城が入る物、王国が入る物となっております。」
「じゃあ~そうね。1番右のをもらうわ。」
アイリスが選んだのは財布くらいの大きさの肩掛け鞄でした。しかし小さくても侮るなかれ、中は王国がスムーズに入る大きさとなっております。
「おお~ありがとうございます。それは、荷物になっていたのです。」
「ああ、商品を使うわけにもいかないからね。」
「ええ、これには値引きにも応じます。」
「では、手始めに100」
「それは無理です。400」
「110」
「300」
「120」
「200」
「130」
「190」
「140」
「180」
「150」
「170」
「160」
「分かりました。160億で」
「ありがとうね。あと、このことは、秘密にしてくださる?。これからの話も」
「いいですが、条件があります。」
「あら?条件って何かしら。」
「買った物と余ったお金の使い道を教えてください。」
「ああ、何だそんなことですか。心配して損しましたわ。簡単です。私には、救わなければいけない
命があるからですわ。」
「救いたい命ではなく、救わなければいけない命ですか?あとこの話は秘密になっているのですから、口調を元に戻してもいいのではないでしょうか。」
「分かった。あと、最初の質問は救わなければいけない命だよ。私の親が色々と迷惑をかけているから。せめて少しだけでも、楽にさせないとね。」
「なるほど、分かりました。では、必ず秘密にさせていただきます。」
「ありがとう。あと、結婚するまでに王太子殿下との婚約を向こうから破棄させるように仕向けるから 頃合いになったら、手を引いた方がいいよ。」
「フフッ婚約破棄させるように仕向けるですか。分かりました。頃合いになったら、手を引きます。」
「物分かりが良くて助かる。では、また」
「ええまた。ああ、本名を名乗るのを忘れていました。私の本名は、ライン・ラクターです。」
「ええ!ライン・ラクターって商会長じゃないっけ。まあいいけど、商談は商会長でもできるから。」
そう言って商会を出た、アイリスは、また気配を消しながら屋敷に帰りました。
屋敷の前に着くと隠れるように中に入りました。しかし家の人は、長い間アイリスがいなかった事に気づいていませんでした。けれどもアイリスは、こうなることは分かっていました。
(分かっていても少し傷つくね)
分かっていなくても傷が深くなるだけです。
《いや、だけじゃないだろだけじゃ》
うるさいですね。死にはしないんですからいいでしょ。
《いや、傷の深さによれば死ぬよ。精神が》
肉体的には死なないからいいでしょ。あと、黙って黙らないと強制的にナレ
ーターの役を変わらせるわよ。
《すみませんでした》
よろしい
その後、使用人に仕事を命じられました。
アイリスは、機嫌が良い所で一気に下げられたのでイラ
イラしていました。
(あいつの顔面に何発かグーで打ち込みたいけれど、親に言われるから我慢しないと。別にお仕置きは 抗体ができるからいいけれど、その道具を買うお金はどこから出ているか分かっているのかな?)
アイリスは、仕事をしている時も買ったカマグを外しませんでした。当然です。見つかり次第即没収でしたから。逆に部屋に置いているのは、それこそ馬鹿の中の馬鹿だけですよ。
おすすめのご飯ってありますか?