11 さぼり
ルンド家領地
「アイリス様、今日は入学式ではないのですか?」
「仮病を使いましたの。ついでに時々参りますわ。」
「はぁ、してコリウスは?」
「聞かなくてもいいことなのではないの?まあ、今回は良いでしょう。出ていますわ。入学式に」
「これからも?」
「ええ」
「そうですか。では」
「ええ、さようなら」
森
「あれ?入学式は?」
「さぼった。あと、これからもさぼるつもり」
「そうなんだ
それじゃあ一杯ここに居れるね。」
「うん、時々学園に戻るけれどね。」
「そっか~
じゃあ夜もここに?」
「ううん、夜は家にいないと不審がられるからだめ」
「残念」
「あはははは、でも日中は居れるんだからいいじゃん。」
「そうだね
ところでいつ、いじめる相手と接触するの?」
「えっとね。“一週間後にしようかな”って考えているんだ。」
「そっか、じゃあ6日後に行くんだね。」
「うん
そうだよ」
「じゃあ思う存分遊ばなきゃね。」
「そういえば、あの王子が君を好きだったらどうしたの?
やっぱり、それに応えてた?君心あれば民心ありともいうし」
“網心あれば魚心”や“魚心あれば水心”ともい言います。
《意味って何だっけ?》
はぁ~
どれも“相手が好意を示せば、自分も相手に行為を示す気になる。相手の出方次第でこちらの応じ方が決まる事”を示しているわ。
「でも“落花情あれど流水意なし”ともいうし、もともとアイツに会う前に決心したし」
これは、類義語はありません。
《これの意味は?》
“これ”ですか?“これ”の意味はですね…
《違ーう、“これ”じゃなくて“落花情あれど流水意なし”の方!絶対分かって言っているよね。だって、敬語で感情が出ないようにしているもん》
よく気付いたわね。
《へっへ~んだ、私だって気付く事もあるんだよ。
じゃなくて、“落花情あれど流水意なし”ってどんな意味?》
ああそれは、“一方に情があっても相手に通じないこと”よ。アイリスの使い方は、間違ってはいないと思うけど。
《どうして?》
だって、考えてみなさい“一方に情があっても相手に通じない事”でしょ。“応える”“応えない”の前に“通じていない”って風にも捉えられるわ。
《っあ!本当だ!》
ってことで“使い方が間違っているかは分からない”って結論でOK?
《OK!》
(ちょっと上がうるさいな)
っあ!声が聴こえる人物がいるの忘れていたわ!
《けど、自分の正体や自分の気持ちを伝えられないヘタレに遠慮する必要はないか》
それもそうね
(遠慮しろ!)
《そういえば、“かの種族”が恋した相手って人間だけだっけ?》
いいえ、動物の中にもいるわ。“かの種族”はその“かの種族”が恋した動物に変化して好意をつたえるわ。
そのまま結婚!と行った“かの種族”もいるし、振られた“かの種族”も居るわ。前の兎みたいにね。そこを思い出せれていればあんなにパニクったりしなかったのにね。
《そうだよね。しかし、かの種族を振った猛者がいるのが驚きだし、あの兎が兎に恋して振られたのも驚きだよ。》
でも、納得はするわね。
《なんで?》
だって、あの兎ちょっとSぎみだったから。あの兎に合う者ってMしかいないんじゃない?
(お願いだから、ムラサキケマンを貶めないでくれ)
ヘタレに言われても何も感じないわ。
《そうだよね。なんも感じないよね。止めてほしいならヘタレから抜け出せばいいんだよ。》
そうよ。まず、貴方がヘタレなのがいけないのよ。しかも、憎たらしい事にアイリスとの会話も途切れてない。
(我慢、しないとムラサキケマンが標的になる。)
あら、すごい部下思いね。
《ほんとだ》
まあ、そんなのはどうでもいいわ。
(どうでもいい!?)
あら?あの兎よくよく考えたら5月4日に生まれたのね。
《どうして?》
っえ?だってムラサキケマンが誕生花の日が5月4日だからよ。
《じゃあ、アルストロは?》
アルストロはねぇ~わかんない
《っえ?》
だって、アルストロメリアが誕生花の日が“2月18日”“3月13日”“3月25日”“4月18日”なんだもん予測する方からしたらたまったもんじゃないわよ。だから、嫌なんだよ。
(風評被害!)
《でも、誰がアルストロの名前を決めたの?》
そらぁ、お母様に決まっているじゃないの。あの人、“面白そうだから”と“アルストロメリア”と女の名前を付けようとしたんだけど、お父様が気付いて必死に説得して“アルストロ”になったんだよ。
(ありがとうございます。オーニソガラムとオミナエシのお父様)
《っあ!この人私達を呼び捨てにしてる!》
まぁ!何てこと
(お前らが呼び捨てにしろと言ったんだろ!)
キャー怖い
《怖い怖い》
(お・ま・え・ら)
「じゃあ、また明日~」
「うん、また明日~」
思ったよりも会話が多くなってしまいました。すみません




