9 学園へ
年明けの3週間前 村
「じゃあね。」
「元気でね。あと、アイリス様に失礼のないようにね。」
その後、男の子とアイリスは馬車に乗りました。
「貴方、名前は?」
「僕の名前はコリウスです。」
「そう、コリウスね。いい名前ね。」
「どうして?」
「だって、“コリウス”の花言葉は“健康”“善良な家風”等だからよ。」
「そう、初めて知りました。」
ちなみに“アイリス”の花言葉は“よい便り”“メッセージ”“希望”ですの。
花言葉の由来は“ギリシア神話で神々の王ゼウスの求愛に困った侍女のイリスが居ました。イリスは、ゼウスの妻ヘラに頼んで虹を渡る女神へ姿を変えてもらい、神々の使者となりました。花言葉の「よい便り」「メッセージ」は、虹を渡って届けられる便りにちなむもので、アヤメ(アイリス)属に共通する花言葉”ですの。
《“アイリス”の名前をつけた人があのバカ夫婦ら、じゃなくて良かったよね。》
ええ、あの人には感謝していますわ。
「じゃあ、貴方の問題点と学園内での注意点等を言うわね。」
「うん。」
「敬語と常用語が混ざっているから、敬語だけにしなさい。」
「どうゆう風に?」
「例えば、“かしこまりました”や“わかりました”、“こちらでございます”等で、注意点は私の屋敷には来ない事よ」
「どうして?」
「この時は、“なぜですか?”や“どうしてですか?”よ」
「どうしてですか」
「どうしてもよ。」
「かしこまるました。では、僕はどこに住めばいいのですか?}
「僕ではなく“私”といいなさい。住む所は知り合いに頼むから、そこで色々と教わりなさい。」
「わかりました。」
「学園内での注意点は、挑発に負けない事よ。これが一番大事。学園は付き人制度のお陰で授業が受けれるようになっているから、いくらでも授業を受けていいわよ。ただ、私は授業を受けないからね。」
「どうしてですか?」
「いいじゃない、退屈だと思うから。何をやったかを報告してくれると嬉しいわ。」
「そうですか。」
「っあ!そうそう、一週間毎に村に行くけど貴方は付いてこなくていいわ。と言うかついてくるな。」
「どうしてですか。なぜついて行ったらいけないんですか?」
「驚かせたいんでしょ?」
「はい。」
「ならば、毎回ついて行ったら驚きが分割されるでしょ。」
「そういう事ですか。で、誰が馬車を曳いているんですか?」
そう実は今、馬車の操縦席には見知らぬ人が座っていました。
「この人は、魔道具で馬車の操縦をしてくれる人なの。」
「買ったんですか?」
「違う違う、ちょっとした人から貰ったの。“これ、体験してみない?し終わったら感想を頂戴ね”と言われてね。 言う通りにしたら貰えた。」
「そうですか。」
ガタッ
「ついたみたいね。じゃあ、降りるわよ」
「はい。」
降りると、ライン・ラクターが居ました。
「アイリス様、この人が言っていた人ですか?」
「そうよ。よろしくね。」
「わかりました。では、小僧!行くぞ!」
「は、はい」
あの人、本性が隠しきれていませんよね。
王都 屋敷 マイオンの部屋
「おい!出来損ない!せいぜいルンド家の評判を汚さないようにしろよ。」
「はい。」
「あと、子爵の所に平民が入ったからな。仲良くするなよ。」
(っうし。情報ゲット。標的はその子だ!可哀そうだけど、知らない人一人よりも、村の人全員の方が大事)
「わかりました。」
(ッフッフッフ。貴方のそれもクフャリアルが卒業したらもう終わり。私は、学園で賭けをするんだから。その子爵令嬢にクフャリアルが惚れれば良いけど。あと、子爵令嬢が狡賢いといいんだけど。そうすれば、クフャリアルの心が子爵令嬢に向く確率が高くなるから。)
「それではこれで。」
「ああ、卒業まで顔を見せるなよ。」
「わかりました。」
一か月後 スウォーイツ商会
「さようなら。アイリス様」
「ええ、さようなら。」
「コリウスも頑張るんだぞ。」
「わかっています。」
こうしてアイリス達は、学園へ行きました。
「そういえば、私は何処に住めばいいのでしょうか?」
「そうねぇ。寮には付き人専用の部屋かあるから、そこに住めばいいわ。」
「そうですか。」
「あと、伝えたい事があるのだけれども…」
アイリスは、計画の事を成功したらどうなるかまで話しました。ただし、計画が成功した後のアイリスの事は伏せて。
学園に着くと、荷物の整理をしました。コリウスも手伝いたかったのですが、アイリスが拒否しました。拒否されたコリウスは、フラフラになりながらも付き人専用の寮に行きました。その光景を見た人は、“あの人、体調不良みたいだけど大丈夫かしら?”と言っていました。




