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小説は好きですか  作者: 小鞠蓮
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卒業

 私は”先生”になりたい。それが”夢”です・・・・・



 私には生涯背負わないといけないものがある。何度も辞職を考えたが叶うことがなかった。強い想いという名の鎖が手枷になっている。晴れることのない感情のもとで。


 桜が咲き、天は今日を祝福するように光を照らす。賞状筒を大切に胸に抱き、光が差し込まれる姿はどこか女神のようだった。黒く長い髪は綺麗に輝き、曇る心を照らすようであった。




”学校は好きですか。仕事は好きですか。この町は好きですか。私はことは好きですか。何が好きですか。私にだけ教えてくれませんか。”




日の光が差し込むベットの上。昨日の出来事が脳裏に問いかる。僕はいったい何が好きなのか。


 昨日、3年間共にした生徒たちが晴れ舞台に立った。一人づつ昇段し大きな証書が授与された。それぞれ、想いを噛みしめながら刻一刻と時間が過ぎる。女子生徒が多いからか、感傷的になる子が多い。これも青春なのだろう。他の教員も感傷的になり始め、厳粛の中に温かみのある式として幕が下りた。

 

 最後のホームルーム。学年主任から話が始まり副担任、そして僕。何を話そうか前日から思考を続けたが、話がまとまらない。結局、毎年同じことを話してしまう。

ご卒業おめでとうございます。これからは一人の大人として社会に・・・・・・・・・と定型文のような話をして、最後に「死ぬなよ」と伝えた。自動車学校も無事に終了した生徒たちは車に乗ることが間近に迫っている。


なんでというキョトンとした顔がよく目立つ。

今は意味が分からないかもしれない。もしかしたら生涯意図が分からず終わるかもしれない。生涯わからない方が幸せかもしれない。



そんな生徒の姿を背景にふと思い出す。その時の情景を。

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