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【完結】勇者に折られた魔王のツノは、幼児の庇護者になりました  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


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23.ぷるぷる石鹸で猫もまったり

 煮詰めるとプルプルになる効果がある草があるらしい。薬草の一種で単体での効能はないが、他の薬草を煮出した汁を固めるのに使うとか。あれだな、海藻の天草(テングサ)みたいだ。寒天の材料に近い。特に美味しくもないが、固める効果があるところも似ていた。地上に生えてるらしいけど。


 石鹸を固める工程の終わりの方で混ぜたところ、まさかのぷるぷる石鹸完成だった。硬くないので不審がる者もいたが、石鹸としての役目はしっかり果たしている。それどころか泡立ちが良くなった。もこもこの泡が大量に出来たことで、琥珀は大喜びだ。


 仕事終わりのバルテルと風呂に入り、頭の上に大量の泡を乗せて大はしゃぎだ。目に入ると沁みるから気を付けろ、そう伝えた直後泣き出した。やっぱり……バルテルが水を掛けて流してくれたが、白目の部分が真っ赤だ。泣く琥珀を心配したニーが、ぺろりと彼の指先を舐めた。


 ちなみに僕は専用の小さな桶を用意してもらい、その中で入浴中だ。さっきから子猫達の爪がちょっかいを出してきて、正直怖い。おやつに齧られないだろうな?


「しどう、たべる、だめ」


 琥珀が膝の上に小さな桶を乗せたので、ほっと一息ついた。懲りずにまた泡を大量生産した琥珀が、僕を泡まみれにしていく。不思議と触覚のようなものはあって、触れた感触はわかる。軽く洗ってから流す琥珀がにこにこと笑顔を振り撒いた。


 この集落に来てまだ3日だってのに、かなり馴染んだな。本来はこういう素直な子どもだと思う。他人を疑うより受け入れる方が難しいのに、琥珀はすんなり状況に対応した。野生の子連れ母猫が心を許すくらいだから、琥珀自身も野性的な部分が強いだろう。


 本能を中心に置いて行動するため、きっと今後誰かに騙される。防いでやるのは周囲の大人の役目だ。ある程度大きくなる頃には自分で見抜けるよう、僕達が教えればいい。こうして子どもらしく笑う姿を守りたいと心から願った。


 母猫ニーは狩りで濡れることもあるため、水は平気らしい。お湯に警戒していたが、温かくて気持ちいいと覚えたら平然と浸かっている。親がゆったりしていれば、子猫のラウ、ナウ、クウもお湯を怖がらなかった。石鹸で綺麗に洗われ、ノミも汚れもノックアウトだ。そういや、この世界で猫にノミはつくのか? 痒そうにしてる姿を見ていない。


「コハク、桶に入るぞ」


 名称が桶で確定し湯船という単語を広めるチャンスを失った僕を握り、琥珀はお湯に入っていく。転ばないようバルテルが抱き上げた。肩まで浸かったら数える。今は片手分だけ。数え方を教えたら嬉しそうに片手の5までを5回繰り返すのだ。


 右手で数えた分の指を倒し、左手で何回右手が終わったか確認する。この方法を教えたところ、琥珀はすぐに覚えて使い始めた。逆にバルテルが混乱して両手を眺めている。琥珀の知能って、もしかしたら高いんじゃないか? ふとそんな気がした。


 知識チートでも自分が動けないし、森人や琥珀以外に伝えられないんだから。この際もってる知識をすべて琥珀に教え込もう。効率よく教えないと、勉強ばかりで嫌いになっても困る。普段の生活に役立つ知識だけに絞るとしよう。数え終えてもお湯から出ない琥珀、洗われた猫達は僕用の桶で寛ぎ始めた。


 ここの猫は、お風呂平気みたいだな。

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