空白をうめる線
あなたには、必要な人がいるの?
いるよ。
それは、わたしじゃなくて?
違う。
こんなことは、言いたくなかった。でも、言わないと前に進めると思えないから。だから、あなたのそばにいたいって思うことだけが、私とあなたの空白をうめるたった一つの方法。
君は、僕といると楽しいの?
楽しさよりも、あなたといたいの。
でも、それはできない。なぜだろうね。分からないよ。
これって、距離の問題じゃないと思うの。
全ては過ぎ去っていく。
そう、だからもう、別れましょう。
夜が更けたとき、虫の鳴く声がようやく聴こえた。