神の恩恵
「ぐはっ、見事だ勇者よ、、、」
魔王ディアボロスの胸には俺の聖剣が刺さっている。
数秒後魔王の体から禍々しい光が発せられ、気がつくと魔王がいたところには何も無かった。
とうとう終わった。
この世界に生まれ、勇者としての適正を得てからというものこの世界のために生きてきた。
もうそろそろ、自分のためにいきたい。きっと俺がいなくてもこの世界は上手くやっていけるだろう。
この先何をするか、俺は想像をふくらませた。
後ろにいるパーティメンバーに微笑みながらこれからの事を話そうと、振り返った。
「なぁ、み、、、、、ぐはっ、、」
胸が痛い、熱い、頭がクラクラする、一体何が、、
そう思って自分の体に視線をやるとそこにはパーティメンバーの槍が突き刺さっていた。
「なに、をしている、ミラああ!!!」
パーティメンバーの槍使いに声を荒らげる俺
「魔王を殺したお前は扱いにこまる危険人物だ。魔王がいなくなった今、お前ほどの実力者はいらない、爆弾を抱えてるようなものだ、と各国首脳会談で決められていた。よって魔王と戦い、1番弱り、油断したタイミングで殺す。それがこの世界の決断だ。すまないな」
「くっ、、そが、、」
僕はそうつぶやき視界は闇に閉ざされた。
ーーーーーーーーー
「え?これが僕の前世ですか?」
僕は目の前にいる自称女神と話していた。
「はい、僭越ながらあなたの前世はとてつもなく苦労人でして、有無を言わさず勇者として生かされ、役目を全うしたら殺された。それがあなたの前世です。天界から我々もみていたのですが、神が下界に干渉するのは出来ない規則でして、すいません」
「はぁ、、そう言われても実感がわかないと言いますか、」
「あなたの記憶にはそうだとしてもこちらでは人生の幸不幸パラメーターは全体で5:5にする決まりなんですよね。しかしあなたの前世はあまりに不幸すぎます、よってあなたの来世は特例でそれはそれは幸運な人生を歩ませろ、というのが天界の決定です。」
「えっと、それはありがたいんですけど前世の記憶がなければそれは僕であって前世の僕ではないといいますか、」
「私もそう思いますが、前世のあなたの記憶を思い出させてしまいますと人類への復讐に走ってしまうだろうと言うことで、それは出来ないです。まあラッキーくらいに思って下さい」
「はぁ、分かりました」
「あなたへの神の恩恵は以下の通りです。」
【神ノート】
描いたことが本当に起こる。字が重なると効果は無効。実現したいことを書く時は必ず改稿して書くこと。1冊使い切るとノートは消失する。
【容姿端麗】
見るもの全てを魅了する容姿と声を有する
【天才】
iq140のギフテッドとして生まれる
【高身体能力】
どんなスポーツをしてもトップになれる身体能力を有する
【超幸運】
とても恵まれる
「えっと?した4つはまだ分かるんですが、神ノートとか言うやつ大丈夫ですか?僕の使い方次第では世界がとんでもないことになると思いますが」
「そこに関しては心配しないで下さい、パラレルワールド理論というものが有りまして、いわゆるあなたがどうこうしようと、それは分岐した世界線での話なので、他の世界には何ら影響はないんですよ」
「なるほど?なら大丈夫そうですね、分かりました人生楽しませてもらいますね」
「はい、それでは転生の義を始めます。私との会話や能力等に気がつくのは5歳からとなります。よろしくお願いします」
女神がそう言った言葉を最後に僕は意識が暗転した、、