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エピローグ
その後の部活はなんとか順風満帆に過ごすことができた。
もちろん入部した女子のうち数名が天馬が苦手とするタイプが居た。異常なまでにテンションが高く付いていけない。
静かなタイプ居るが、現二年生が引退した際には彼女らが部長となり、独裁体制を築くのだろう。
そんな中、男子一人である天馬は言うまでもなく隅っこで生活すると思っていた。―――しかし。
「うまいね君。」
「え?そうですか?」
突然話かけてきたのはトランペットのリーダーである柏木という先輩である。
楽器を選択するとき、悩んだ末に決定したトランペット。それで褒められたのだから心なしか天馬の表情が緩む。
「そうだよ。ちょっと他の子にも教えに行ってね。」
「は、はい。」
「天馬君、ちょっといいかな。」
「う、うん。」
天馬の意外な才能に同学年からは非常に頼りにされている様になった。
それに天馬はやりがいを感じ、吹奏楽部で良かったと思える出来事が続いた。




