予期せぬ出来事
私は一通り荷物をまとめ家を出た、これでしばらくこの家は無人と化す
親に教えてもらった住所を当てに私は往来を歩き回る
世話してくれる人ってどんな人だろう
親父からは何の情報も与えられなかったしこの住所には心当たりも無い
オヤジのことだからなんかヤバそうなのかもしれない
スキンヘッドにサングラス・・・
まいっか、なんとかなる、なんとかする
あれこれ思案してたらいつの間にか目的地に着いていた
結構でかい・・この家・・・
出かけているのだろうかガレージは空だった
私はためらわず呼び鈴を押し様子を伺った、しばらくして物音が聞こえほっとすると
ドアが開いた
「え・・・」
予想を超えた状況にさすがに私も絶句する
だってこいつは・・
「もう来たんですか先輩」
表情一つ変えず私を迎い入れたのは
「ませ・・ガキ」
―「根室誠司です」―
「ああ、私こんなリアルな夢見たの初めてだわ・・」
「僕ももしそうだったらすこしは気分がマシだったかもしれません」
誠司は悠々と切り返す
頭の混乱の収拾ができずとりあえず私は人んちのソファに体を沈めていた
根室誠司、今日学校でヤエ達とたむろっていた時後輩にもかかわらずに堂々と注意をかました
あの誠司だ
「なんでアンタなのよ」
「どうやら先輩のお父さんと僕のお母さんは旧友だったみたいで」
「へぇ」
私はそっけない態度をとりあたりを見回す
「他に人いないの?」
「他の人って?」
「そのお母さんとかお手伝いさんとか」
それを言うなり誠司は小さく笑い声をたてた
「なに?」
「いや・・お母さんはともかく、ここを何と思ってるか知りませんが、お手伝いさんだなんで・・・」
彼はまた笑い始めるでもこんどは作り物めいた感じがした
完全にバカにしてる
「だからなに?!」
「随分と発想が幼稚なんだな・・と」
表情を改めさらりと彼はそう言って立ち上がった
私は自然と額に青筋が浮かぶのが分かった
馬鹿にするにも程がある
「なにか食べますか?おなか減ってるしょ?」
確かに学校帰りで胃も寂しいですけど
「あんた料理できるの?」
「大人の常識的にはそれなりにできます」
にっこりと彼は答える
「は〜?年下のクセにムカつく〜」
「先輩料理できないんですね」
「そんなこと言ってませんよ!」
あ・・ミスって敬語に・・・
コイツと話してると調子狂う
「別に恥ずかしいことでは無いですよ、料理できないなんてモテない女性の中では珍しくないことですし」
笑えない暗示めいたものをその言葉の中に感じるんですけど
「それどういう意味?」
「そのまんまの意味です」
頭に血が一斉移動
こいつと話すと下半身真っ青になりそう
「とりあえず適当にこしらえますから、先輩は二階の空いている部屋で待っていて下さい、
出来たら呼びます」
「あっ・・ちょっと」
まだ言いたいことが山ほどあったのに・・・
彼は私にかまわずキッチンへと消えていった