次の日
昨日のおでんメンバーと友達の木村由梨は休み時間を有効活用して
移動教室というのもあって一年生の教室の前でたむろっていた
「由梨は新しい出会いとかできた?」
「全然ムリ、たぶんこの学校中じゃダメだなぁ」
「他校?遠距離恋愛じゃん」
「俺だったら絶対そっちの方がムリだ〜」
その後も恋バナに話を咲かせ
由梨の元彼について盛り上がってきたころ
「先輩」
不意に後ろから声をかけられ振り返ると廊下に1人の男子生徒が立っていた、たぶん一年生・・
先輩と呼ぶ割には年以上に落ち着いた感じの男子だった
私がしげしげと眺めると
なだめるような視線で笑いかけられる
懐柔でもするつもりか
私は猛獣か
「何?」
「ここ、一年生の教室の前ですよね?しかも出入り口です」
「だから?」
マナーの問題を言っているのは分かってたけど
なんかこの癪に障る笑顔が私の神経を逆なでした
生意気な後輩を睨みつける
清楚な雰囲気が更にむかつく
生徒会に居そうなタイプ
軽い沈黙を破ったのはやはりこいつの穏やかな声
「そろそろ授業の時間ですよね?」
移動した方がいいと思いますけど?と彼の目が言っていた
「は?何でそんなこと君にいわれなきゃいけないの?」
「それ私も思った」
由梨は事情を把握していないのかのん気な声調で私に合わせる
「宮田先輩は・・」
そんな私達ひるむこともなく彼は悠々とで受け止め言葉を発した
「なに?」
「××のブログやってましたよね?昔。拝見しましたけど、この学校について素晴らしい評価をしてましたよね特に先輩や先生については重点的に・・」
私はそれを聞くなりサーと顔の血の気が引いていくのを感じた
××ブログといえば私がこの学校に入学早々作ったブログで
この学校についての悪口を散々書き殴った挙句
飽きて退会手続きもせず放置していたブログだった
飽きて半年以上たっているのでログインの為のパスワードは記憶のどこかで紛失してしまい管理できない状況
学校側にバレたらそれなりにキツイ・・・と思う
そこまで思い至ると再び彼が言葉を続けた
「僕は結構好きですけどねあのブログ・・・でも先輩最近更新していないみたいですね残念です
まぁ駄弁はそれくらいにして
時間も差し迫っているので退いてもらっていいですか?先輩達がいるとどうもここの通りがスムーズにいきません」
彼は背後で教室に入れず戸惑う生徒達に目配せしながら言った
マジむかつく・・けど・・
「どけばいいんでしょ、行こう」
私はむかつく後輩達を横目で睨みながらヤエたちを促した