23,24
T日
おばあさまに言われてきたことが今日やっと分かったみたい。今日の今日まで、私はこの生活のすべてに馴染めなかった。ひょっとしたら嫌いだったと言った方が合っているかもしれない。この閉じこもった空間も、何もかもを見通しているようなおばあさまも、それだけが私の生活のすべてだという事実も……。でもその思いは今日初めて私が私の〝使命〟を果たした時に消え去った。大理石の丸部屋の、石版に繋がれた男の人……。その人の前に出ると今までの自分が消え去った。まるで自分の中の自分が目覚めたみたい。初めてやる、儀式のような一連のお世話もすぐにできた。まるで誰かにそっと手を添えてもらっていたかのように。
W日
明日私は〝力〟を使う。神々の英知に人間が手を出す……。およそ許されることではない。その後何が起こるかも分からない。だが私の記憶、そして予想が確かならば、きっと……。……私の記憶、か……。私は無知な少女だった。この〝瞳〟を得てそのことを初めて知った。もっとも、〝瞳〟を得てしまったこと自体が無知の動かぬ証拠に他ならないわけだが……。この先どうなるかは分からないが、この日記の後の方に記しておこう。祈りにも似た私の最後の言葉を。すべてがうまくいけば彼女は、私はそのページに辿り着くだろう。もし何かが狂ってしまったら……。いや、それは今は考えまい。さて、今の行動を起こしてすらいない私の想いを綴るのもこのくらいにしておこう。今日はもう寝てしまわねば。明日から起こり得る物事のために。これで何かが変わると良いのだが。いや、変えなければならない。絶対に。




