【住所】
【住所】
たかが少女の指ではじいたアイスの棒が天井に突き刺さる。タカシは言葉が出なかったものの、これは家の老朽化だな、とすぐに気を取り直した。
「……で、お前はどこから来たんだ? 住所は? あんま遠くねーとこだろ」
まさかバスと飛行機を間違えて乗ってしまい、迷子になったわけではないだろう。
「遠い以前にこの星や次元とは違うところじゃ。こちらの星の発音にするとァルデピマジュムィダというところにおった」
「いい加減、アニメから離れろ。それとも漫画か? そのしゃべり方もそうなのか?」
タカシは凄みをかけた声で、家出少女をたしなめる。が、まったく気にしていないようだ。
「あいにく、本当のことしか言っておらんのでな。しゃべり方は自前じゃ」
「……ああ、そうかい。じゃ、警察に連絡して親御さんに来てもらう」
もうラチがあかない・仕方ないと思い、タカシは立ち上がる。家出少女は右手の人差し指をタカシの肩にちょんっと触れた。
「タカシ、ちと座れ」
「な」
家出少女がほんの少しその指先を下へ押したかと思うと、タカシの身体がきしんで派手に転んだ。それは圧倒的な力で、その身体のバランスを崩したのか。何が起きたのか、わからなかった。タカシは起き上がろうにも、全身の力が抜けているように動かない。いや、動けないのだ。
「お前、何しやがった……っ」
「……仕方ないのぅ。一から話してやる。魔王直々にじゃぞ。光栄に思うのじゃな」




