【まぁそんなこんなであっという間に】
【まぁそんなこんなであっという間に】
「放課後じゃな」
「誰に言ってんだよ」
「さぁ、タカシ、陸上部に行くぞ」
「行かねーよ」
魔王の制止を無視してタカシがさっさと先に廊下へ出た。魔王の力で止めることもかなわず、廊下の真ん中で憤慨した。
「なんじゃ、つれないやつじゃのぅ」
憮然とタカシの背中を目で追っていると、そのすぐ横の教室からカオルが出てきた。何か問答をしていたかと思うとタカシをつかまえ、どこかへ引きずって持っていってしまった。
「また何か仕事手伝わされんのかな?」
いつの間にかミツルがひょいと教室から顔をのぞかせ、タカシとカオルの様子を見てつぶやいた。超・生徒会のメンバー殆どが同じ2年生だということを魔王はすっかり忘れていた。
「いい気味じゃ」と笑う魔王だが、その言葉とは裏腹に表情に出るくらいイライラしているようだ。ミツルが達観したような、「あーあ」という表情でそれを見下ろしている。
「ああ、もう甲藤でいい。お供せい」
魔王が振り向いた時にはもうミツルの姿は既に遠く、アンナに引きずられているのが見えた。
「……。むぅ仕方ない。ワシだけでいくか」
「どうしたの?」
ふてくされる魔王に声をかけてくれたのはカナだった。それを逃すまいと、魔王はカナの手を取る。それから「え、え? どこ行くの?」というか弱い疑問にも答えず、先駆者と同様にただ引きずっていった。




