【9月8日】
【9月8日】
「まったく、面白くも何ともない話ばかりじゃな」
タカシやミツル達の輪に入っての昼休み中、魔王がそう愚痴った。おそらくこの学校の授業のことだろう。
「これなら図書館に行っていた方がまだ有意義じゃ」
「なら、来なくていいんだぞ。元々お前は不法入学だしな」
弁当を早々と食べ終えたタカシがお茶一口飲んだ。魔王はまた野菜を後回しにし、アンナに「野菜を残すなぁあっ!」と突っ込まれている。
「不法ではない。きちんと魔王の力を使って、正規の手続きは済ませたわ」
「その辺が不法なんだっつーの」
「まぁまぁ、その会話も不毛っちゃ不毛だから」
タカシと魔王の弁当の中身はほぼ一緒で、周りはそれが気になっている様子だ。大して仲も良くないクラスメイトが輪に入ろうとして、ミツルと邪魔されずべたべたしたいアンナに追い返された。
「にしても、なんじゃこの学校は。勇者の育成機関か」
魔王が野菜を嫌そうに食べながら、そうつぶやいた。魔王をに対抗出来る勇者が3人も在籍しているのだから、運命と言えるものかもしれない。
「勇者ってのは……女性がなるものなの?」
「その世代において強い方がなる」
「納得」
単純明快な解答にミツルは苦笑した。今の時代、この世代においては確かに男性より女性の方が強いかもしれない。
「勇者が魔王を倒してくれるというなら、迷惑をこうむっているおれとしては非常にありがたい」
そう言うが、その原因の半分はタカシ自身にあるといっても過言ではない。魔王はふふんと鼻を鳴らした。
「それには勇者自身の手で、その力でワシの心臓を貫かんと駄目じゃぞ。その後、肉体から潰れた心臓をえぐりだして、両者を切り離すまでせんとな」
「食事時の会話じゃないなぁ」
真面目に返す魔王の話に、からあげをつまんでいたミツルの手が止まった。しかし、それもポーズだけのようだ。魔王やアンナにいたっては一向に気にせず弁当を食べ続けている。




