【勇者のにおい】
【勇者のにおい】
「なんだって?」
「じゃから、あやつらから勇者のにおいがするのじゃ」
魔王の突然の告白に、タカシがあきれている。
「お前な、何を」
「それとアンナ、おぬしからもしとる」
思わずミツルとタカシが振り返り見ると、アンナが必死に袖口のにおいをかいでみている。それは物凄い勢いだった。
「つーか、そんなのわかるもんなのか?」
「うむ。勇者は魔王の天敵じゃからのぅ」
「あー、だからアンナが苦手だったのか」
ミツルがようやく納得した、という顔で魔王の言うことを受け入れる。そういえばアンナは魔王が力を行使している時に、ミツルや教師のような影響を受けていなかった。それどころか、部屋の支配者・魔王を臆さずに手刀まで食らわせていた。
「あんなことが出来たのは、魔王に抵抗力を持つ勇者だから……」
「うむ。あやつらと出会えて、ワシもようやく気づけたわい」
魔王もどこか晴れ晴れとした面持ちで、ミツルに命令した。
「さて、その超・生徒会のメンバーとやらの詳細を話せ。においに合う者共か確認したい」
「それはいいけど、何で俺?」
「おぬしが一番詳しそうでな。それとタカシはアテにならん」
きっぱりと言い捨てる魔王に「んだとコラ」とタカシが食ってかかるが、それ以上反論が出来なかった。
「オーケィオーケィ」
ミツルは笑いをこらえながら、メンバーについての情報をぶつぶつと小さな声で暗唱しまとめる。それから魔王に語りかけた。




