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【どの辺がツボなのか】

 【どの辺がツボなのか】

 「いい女子(おなご)じゃ。幼顔じゃが、気性は穏やかで温かい。自らより他人のことを思いやり、正義を思えば毅然(きぜん)と立ち向かい、損得なしで動ける。そこに他人の手を借りようとせず、自らでやろうとするその心構え。とろさを見れば無茶無謀と取れるが、他人に助けてもらえば礼も欠かさぬ」

 魔王はふぅっと首をゆっくり横に振り、ひとつ息を吐いた。

 「タカシが惚れるわけじゃ。じゃが、脈は可哀想なほど無い」 

 ぶすっと無愛想なタカシを見上げ、きっぱりと言った魔王はにやりと笑う。

 「むしろ、異性というより父親や兄的な存在と見ているようじゃ。少々気にかけすぎたようじゃのぅ」

 「うるせーよ。八百屋と喫茶店の繋がりがあるだけで、そもそもカナをどうとか思ってねぇっつうの」

 「ただのクラスメイトを呼び捨てにしてる時点でアウトだと思うけど」

 ミツルがからかうのを、タカシがぎろりとにらむ。それから思い出したように魔王の方へ視点を下げた。

 「で、お前らは何を聞いてんだよっ」

 「む、ワシらはタカシの為を思って行動したまでじゃ」

 「嘘つけ。ただで動くタマか、お前は」

 「心外じゃな。そのように見られておるとは」

 「人に何も話さねぇやつはそう言われても仕方ねぇだろ」

 魔王はぐっとタカシをにらみつけるが、その相手はそれを無視して背を向けた。

 「今日の夕飯の時に考えてることをきっちり話せ。家から追い出すのはそれからにしてやる」

 タカシの言葉に魔王は狐につまされたような顔をしている。それから、いきなりミツルとアンナとがっしと肩を組んで円陣を作った。

 「正直なところ気持ち悪いくらいの、この心変わり、どう思う?」

 「ミツルと私のように、その思いと一生懸命さが通じたんだぁああぁぁぁああっ!」

 「うーん、付き合いの長い友人からすれば、身勝手な魔王さんのタカシの為って言葉にキたのかもしれないな」

 「ほぅ、それは単純な」

 「マジで今追い出したろか」

 冗談には聞こえない低い怒声をうなり出すが、魔王はふふーんと鼻を鳴らす。無愛想なタカシの頬と耳がわずかに染まり、いつもの迫力は無かった。

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