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【この魔王が直々に考え出した案】

 【この魔王が直々に考え出した案】

 「よし聞こう」

 「うむ。まずはタカシを見つけ出す」

 結局、午前中の授業……タカシはミツルのいる体育にも出てこなかった。今もどこかでサボっているのだろうか。魔王は「ミカコが知れば(なげ)くぞ」と言えば、ミツルは「おばさんなら笑って片付けそうだけど」と返した。

 「で、見つけてどうする」

 「うむ。あのクラスの(おさ)としていじめは見過ごせぬ。そこでカナがいじめられている現場を押さえ、タカシに助けさせるのじゃ。そこで告白させれば落ちるじゃろ」

 真面目な顔でぶっとんだ発言をする魔王にミツルが声を出さずにひぃひぃ笑っている。

 「た、タカシにそんなことやらせんのか……っ」

 「ぬ。(まれ)に見るいい案ではないか」

 魔王は笑うミツルをにらむが、当の本人は急に真顔になった。

 「同感だ。やろう」

 「おぬし、本当にタカシの友人か? 物分りが良すぎるぞ」

 「ミツルがやるなら私もやるぞぉおぉぉおおおぉおっ!」

 顔面から倒れたアンナががばりと起き上がり、無意味に燃え上がっていた。魔王は何故か必死にお菓子の山を隠そうとしている。

 「おぬしの連れを何とかせい。うるさくてかなわん」

 「あー、そうだな。そうしたいところだが、こいつは性分らしい」

 「厄介な性分じゃ。暑苦しいわ」

 「ところで、そのお菓子の山は何だ? デザートか?」

 先程から魔王が食べているそれらを指差すと、魔王はゆっくりと浅くうなずいた。

 「うむ。これはワシの昼食じゃ」

 「……栄養偏るぞ」

 「ふん。ワシにとってこのような食事は栄養を補給する為のものではない。平民共からエネルギーさえ得られれば、単なる嗜好(しこう)から選んでもよいのじゃ」

 魔王はアンナの弁当と自分のお菓子を見比べながらそう言うと、ミツルは眉をひそめた。

 「話じゃそれってまともに得られてないはずだけど」

 「まぁな。さっきの教師で多少は得たがの」

 要するに魔王が甘いものを食べたいだけなのだろう。つまるところ、ただの偏食だ。飲み物まで甘いココアとおしることきているから相当で、見ているミツルの方が胸焼けしそうだった。

 「……うーむ」

 「どうしたぁあぁあぁぁああっ?」

 今まで嬉しそうに甘いお菓子を食べていた魔王が急に神妙な顔つきになり、伸びていた手も止まった。何か重大なことでも気づいたか思い出したか、ミツルより早くアンナが叫んだ。

 「飽きた。これ、甲藤、おぬしのパンをよこせ」

 「おいっ」

 「させるかぁあぁあああぁぁあっ!」

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