【昼休み】
【昼休み】
「ミツルゥゥウゥ、一緒に愛妻弁当食べよぉぉおおぉおぉおっ!」
「わるいな。おれは弁当より購買派なんだ」
「ほらっ、あーんだ。あーんするぞぉぉおぉおぉおっ!」
「頼むから1人で鏡とやってくれ」
「そんな冷たいことを言うなぁあぁぁあっ! 見ろ、この冷めてるはずの弁当が温かいという奇跡をぉおおぉぉおぉおっ!」
「それって弁当として駄目だろ! この陽気で発酵かっ、それとも腐ってるのかっ」
「無問題ぃぃぃいっ! 納豆もヨーグルトもそうしてうまくなるのだあぁぁあぁああぁっ!」
「お前の殺人兵器と一緒にされた納豆とヨーグルト、ついでにシュールストレミングに謝れっ」
ミツルとアンナの必死の攻防を横目で見ながら、タカシはしなびたキャベツが入ったコロッケサンドを食していた。ここの購買の惣菜パンのメインはよく出来ているが、付け合せの野菜がいつも駄目だなとタカシは常々思う。それからあのバカップルも駄目だとわかる。
最も、一番駄目なのはテストのことをすっかり忘れ、その結果もぼろぼろで終わったタカシだろう。
「あいつらもほんっと飽きねぇよな……」
タカシはちらっと廊下側の席を見た。女子がグループでかたまっているなか、朝来野カナは離れた自分の席で1人弁当を広げていた。
【防災訓練】
「……繰り返す、これは訓練ではないっ。これは訓練ではないっ」
「調子に乗りすぎだろ、校長」
スピーカー越しでもわかるノリノリな校長に対し、ウザそうにタカシはそうツッコむ。それからすぐ後に教師の言うことを聞かず、放送のテンションにつられて「ミツルゥゥウウゥッ! 無事かぁああぁぁあっ!」と絶叫するアンナが乱入してくるのだった。




