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【罪は罪】

 【罪は罪】

 魔王は高校を卒業し、地球支配にかかる前に警察へ今までのハッキングなどの罪を告白しに行った。すべての罪を償ってから、この地球支配と向き合いたかった一心の決意だった。

 「……やりきれなかった」

 今までの経緯を警察に話してみれば嘲笑され、ろくに対応することなく追い返された。挙句の果てに、どうしても証明したいなら今この場でやって見せろと言うのだ。

 「新たに罪を犯せ。そう言われたのじゃ」

 魔王は拒否した。もうそのような目的で使わないことをはっきりと言うと、警察は丁寧に精神病院の連絡先を教えてくれた。

 「やりきれなかった……」

 それと同時に、またひとつ指し示さなければならないことも見えた。魔王はそう語った。


 【気を取り直して振り返る】

 「しかし、おぬしとこう話すのは何年ぶりか」

 魔王が楽しそうにそう訊ねると、タカシは首をかしげた。

 「2・3年ってとこじゃないか。こっちはお前を新聞記事でよく見るけどな」

 タカシは店を休み、ミカコ達を連れて久々に温泉へ行った時、偶然に周辺調査をしている魔王と出くわしたのだった。示し合わせたわけでもなく、互いに驚いたものだが、その時の魔王の方は多忙で4分しか話していられなかった。

 「遠く離れてしまったようで寂しかったか?」

 「別に」

 多少は感じるところはあったが、寂しいとか懐かしいというような感情が出てこなかった。魔王は口を尖らせた。

 「つまらん男じゃ。昔も今もその中身は変わらんな」

 「うるせーよ」

 「その口癖も」

 魔王は何故か嬉しそうに、タカシに愚痴った。

 「最後までお前、呼び捨て。一度たりとも様を付けてはくれんかったしのぅ」

 「だから、いつまでも根に持つんじゃねーよ」

 「そのくせ、生徒会長には様付けするし」

 「まさか、それだけでおれに絡んできたのか」

 「その通りじゃ」

 魔王が胸張って言うと、タカシは盛大なため息吐き、自らのこめかみを押さえた。

 「……これが地球支配してる魔王かよ」

 「悪いか」

 ふんと鼻息を荒く出す魔王に、タカシは苦笑した。

 「お前も変わらないな」

 そこまで言って、タカシははたと気がついた。

 「だから、こうしてられるのか」

 「その通りじゃ」

 魔王は高校時代と変わらぬ表情で微笑んでみせた。

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