表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
188/195

【9月15日】

 【9月15日】

 「死んだか、ワシの目にも届かぬところへ消えたか。さては本当にィエルア゛ミャメーァだったのやもしれぬ」

 魔王は残念そうでもなく、ただ思いついただけの可能性を口にした。

 「今となっては、もうわからぬ」

 「そうか……」

 「ただ『私』ではなく『おれ』という辺り、口調だけはおぬし同様なかなか若々しかったぞ」

 「そこかよ」

 タカシはひとつ息を吐いて、自らの足元を見つめた。それから店先の横に置いてある2代目の長イスに座って、緑茶と猪熊の和菓子(・・・)を食べている魔王へと視線を移した。

 「あれから12年か」


 【矢のごとく歳月過ぎて】

 「タカシはだいぶ老けたのぅ」

 魔王は壮年から中年に移りかけているタカシを見て、しみじみとつぶやいた。口調はともかくとして、青春盛りの高校時代と比べ、肉つきから顔までだいぶ変化したものだ。

 「それは普通だ」

 「そうじゃな。タカシはどこまでいっても平民じゃった」

 「喧嘩売ってんのか」

 タカシが高校時代の調子でそう返すと、不敵に笑う魔王は軽く応えた。

 「おお、売るぞ。天下の魔王様に買える(カエル)ものならな」

 魔王の、高校時代の調子で返され、タカシは少しだけ悔しげで諦めたような表情を見せた。

 「……12年前なら、確実に買ってるがな」

 「じゃな。今は本当にワシの天下じゃ」

 くくっと愉快そうに、魔王は笑った。

 「今年でちょうど10年。ワシがこの地球を支配してからのぅ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ