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【教師をパシリにするとは】

 【教師をパシリにするとは】

 「無茶をするものだ」

 それだけではない。武島教師のパソコンのスペックがどれほどのものかはわからないが、それで出来る限りの街中の監視カメラの映像管理をしているところへのハッキングすることもそうだった。

 「バージョンアップはワシの身体を通せば何とかなったしのぅ。平民より支配の境界線がはっきりしているぶん、楽だったぞ」

 「まぁ確かに、プログラムに心や感情の概念はないからね」 

 しかし、監視カメラの映像を盗み見たとしても、その殆どが建物内部しか映していないはずだ。殆ど労力の無駄だったろう。

 「じゃから屋外はカラスに、屋内は監視カメラと分担したのじゃ」

 「……そんなので見つかるとは思わなかった」

 起き上がりながらキミヤは少し落胆した声でつぶやいた。ぞんざいで穴だらけな作戦だったので余計に屈辱的だったのだろう。

 「タカシのいる高校への入学もそれでやったのか」

 「そうじゃ」

 どこかの中学校と役所の情報管理へハッキングし、ありもしない魔王の在籍データをでっち上げる。それから高校への入学テストを通して、みごと転入してみせたわけだ。


 【違法行為を自慢するわけでも肯定するわけでもなく】

 「戸籍を持たない人間がいないわけではない。しかし、どんな理由をつけようと不法行為だ」

 キミヤの言葉は冷たい。

 「入学金は株取引で得たものじゃが、確かにそれはどうしようもなかった」

 「年齢的には株もアウトだが」

 「う」

 情報管理をパソコンにほぼすべてを任せつつある現代社会において、どんなハッキングでも情報改竄でも可能とする魔王の力は相当な脅威だ。

 「まぁ、しごく全うな手段で生きようとしてることはわかった」

 それでも、魔王は違法行為に触れなくても何とかなることは自らの手でするように努めてきた。それは今までの話からうかがえた。

 「許されるわけでもないが」

 「重々に承知しておる。たとえ、もし他の者が同じことをやっているからといって、ワシもやっていいという道理にはならぬ」

 それはァルデピマジュムィダにおいても通じる道理じゃ、と魔王は言う。

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