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【つまりは】

 【つまりは】

 麻島キミヤこそ失踪した魔王の父親であり、タカシはこちらの次元で生まれた腹違いの弟だということ。それならば魔王の力に耐性が生まれたのも、勇者に囲まれた生活環境に合わせてなら納得がいくと魔王は考えたのだ。

 「答えよ」

 キミヤに今までにない明らかな動揺が見られた。

 「まさか……本当にそうなのか?」

 「くどい」

 じっと魔王を凝視し、キミヤはつぶやいた。

 「驚いた。まさかこんなところで会えるなんて」

 「ワシもじゃ」

 魔王は憎々しげに吐き捨てた。

 「まさか、このような次元でのうのうと生きておったとは!」

 周囲の空気がビシバチとはじけ、魔王の足元から砂煙が立ち上った。傍にいるだけで息が詰まり、呼吸の仕方まで忘れてしまいそうだった。

 「いや待て。何か勘違いをしているようだ」

 キミヤは今の状態の魔王に臆することなく、制止を求めた。

 「魔王。君が言うィエルア゛ミャメーァは、おそらく……雨矢(アミヤ)は俺の祖父だ」

 「祖父……じゃと?」

 その言葉に魔王が少しだけ落ち着きを取り戻すと、キミヤは土手に滑り込むように座った。

 「ああ」

 ゆっくりと魔王の顔を見て、それから夜空を見上げてからうながした。

 「座って話そう」


 【2人は土手に並んで座った】

 「……そうか。どうりで雰囲気が似てると思ったよ」

 キミヤは柔らかな笑みを見せるが、魔王は切羽詰ったように訊いている。

 「その前にィエルア゛ミャメーァがおぬしの祖父というのは本当か」

 「ああ。間違いないと思う」

 「信じられん」

 胎児だった魔王は話に聞いただけで直接の面識はなく、またキミヤにもないという。しかし、キミヤは古ぼけた写真を1枚だけ持っていて、更に魔王とキミヤが聞いた話というものはその殆どが符合した。

 「何か感じるところはあるかな」

 キミヤは懐から大事そうに、シートで包んだものを取り出して魔王に見せた。

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