表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
172/195

【紅茶を注ぐように】

 【紅茶を注ぐように】

 ミツルは自らの部屋を見回し、ひとつ息を吐いた。

 「特にこれだけ注いでくれるんだ。少しくらい感じるところがあるんだろうってわかるよ」

 「だから贅沢者め、と言うたんじゃ」

 「ははッ」

 紅茶のカップを置き、魔王は蜂蜜を更に足した。もう溶けきらずに底の方で沈殿している辺り、蜂蜜入りの紅茶ではなく紅茶風味の蜂蜜といった方が近いだろう。

 「しかし、これだけの部屋をぽんと出すとはミツルの両親は何をしておるんじゃ」

 「マンション経営。ていうか、この部屋もそう」

 ミツルが床をなで、魔王の方を見た。その視線に気づいているのかいないのか魔王はパイプベッドに腰かけたまま、のんびりと茶をすすっている。

 「富豪か」

 「貧民と二極化させるなら、その分類に入るね」

 その言葉はいやみったらしくもなく、ミツルは微笑んでみせた。

 「これだけ格差があるのか」

 「そういうものだよ。世の中って」

 「知ったような口をききおるのぅ」

 「魔王さんこそ、世の中を甘く見てるでしょ」

 ミツルがカップを床に置き、よいしょっと小さく言って立ち上がった。

 「両隣と真下の部屋も俺のもの。ていうか、あえて空き室のままにしてくれてる」

 左右と下方に指を差し、魔王にわかりやすく示した。

 「なんでかわかる?」

 一歩だけ、ミツルは魔王に歩み寄った。

 「俺が何しようと、誰にも聞こえないようにって配慮だよ」

 魔王が紅茶を飲み干し、カップを床に置いた。その瞬間にミツルは魔王に迫り、押し倒した。

 「こんな風に」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ